高校づくり 圏域単位で検討開始 全道的見地から構想提示を 小規模校の影響 考慮求める
(道・道教委 2023-08-09付)

高校の在り方検討会議
8市町の首長・教育長13人が出席し、活発に意見を交わした

 【釧路発】道教委主催の「高校の在り方検討会議」の初会合が7日、釧路圏域を皮切りに始まった。これからの高校づくりに関する指針(改定版)に基づき複数の高校が所在する市町・圏域単位で高校配置の在り方を協議する初の試みで、今後は従来の地域別検討協議会と同会議の協議内容を合わせて高校配置計画案を決定することとなる。出席者からは、全道的な見地に基づくグランドデザインの提示や、地域づくりの核となる小規模校への影響に配意するよう求める意見が上がった。

 会議は一定圏域単位で将来的に高校が担うべき役割、高校の魅力化、多様な学修ニーズに応える高校配置の在り方などを協議し、結果を配置計画に生かすことで圏域における高校の教育機能の維持向上を図ることが目的。

 設定圏域は通学区域、通学可能圏域、中学校卒業者見込み、高校への進学状況などを踏まえて道教委が定め、5年度は釧路、北見、紋別の3圏域で会議を開催する予定。

 釧路圏域の会議には釧路市、釧路町、鶴居村、白糠町、標茶町、弟子屈町、厚岸町、浜中町の首長や教育長13人が参加した。

 開会に当たり齊藤順二道立学校配置・制度担当局長があいさつ。少子化の進展によって高校の小規模化が予想されるとし「生徒の就学機会の確保と地域創生の観点に立った教育機能の維持向上の両面から、本道の高校の在り方を地域の皆さんと思案していきたい」と述べ、子どもたちが豊かに学べる教育環境の構築に向けて意見を求めた。

 続いて道教委が釧路学区における高校の配置状況、入学者数、地元進学率、進路動向を説明。9~12年度までに中卒者数が241人減少する見通しを示し、学校・学科の配置の在り方や魅力ある高校づくりを課題として提起した。

 出席者は「全道的な見地に基づいて釧路圏域における望ましい高校配置のグランドデザインを示してほしい」と意見。また「高校はまさに地域づくりの核。小規模校が果たしている影響を考慮してほしい」と訴えた。

 このほか、学習機会を保障する公設学習塾設立の動きや、自然に密着した地域ならではの教育活動の事例を紹介した。

 10、11月ごろに第2回会合を開催し、釧路圏域の高校の教育機能や役割などを説明・協議。6年1、2月ごろに第3回会合を開催し、定員調整を含めた具体的な高校配置の在り方を協議する。

(道・道教委 2023-08-09付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委 管理職のための特支教育研修会 日頃からの対話が大切 コーディネーター育成・活用

 道教委は8日、オンラインで第2回管理職のための特別支援教育に関する研修会を開いた。特別支援教育コーディネーターの養成・育成プログラムに取り組んでいる道教育大学釧路校の田中雅子准教授がコーデ...

(2023-08-16)  全て読む

道教委と道小、道中、道公教 主体的学びへ 研修観転換を 新研修制度充実に向け協議

道教委と3団体が意見交換会  道教委と道小学校長会(森田智也会長)、道中学校長会(森田聖吾会長)、道公立学校教頭会(野田隆之会長)は7日、札幌市内の道第二水産ビルで「教員の新たな研修制度による教員の資質向上と学校経営」...

(2023-08-10)  全て読む

道教委 道町村教委連要望に回答 期限付教員確保へ取組充実 採用選考検査 見直し視野に

 道教委は道町村教育委員会連合会(会長・山﨑佳標津町教委教育長)の6年度文教施策に対する要望事項に対する回答をまとめた。不足する期限付教諭の確保に向けて人材の掘り起こしを進めるほか、教員採用...

(2023-08-10)  全て読む

道 中高生が考えるワークショップ ケアラー独りにしない 授業の題材として求める声

 道は1日、オンラインで現役中高生が考える“ヤングケアラーを独りにしない”ワークショップを実施した。道内の中高生15人が参加し、ヤングケアラー支援に向けたアイデアを交流。参加者からは、ヤング...

(2023-08-10)  全て読む

特別支援学校管理職対象に研修会 参加申込21日まで 長野県指導主事が講話 道教委

 道教委は30日、オンラインで教育委員会および特別支援学校管理職のための特別支援教育に関する研修会を開く。「適切な学び場ガイドライン」を作成し、児童生徒一人ひとりの障がいの状態や教育的ニーズ...

(2023-08-10)  全て読む

文科省 公立学校施設改修状況 道内小中 耐震化率99・1% 耐震性なし42棟 全国最多

表  文部科学省は8日、公立学校施設の耐震改修状況調査結果を公表した。4月1日現在の道内公立小・中学校(札幌市を含む)の校舎等の耐震化率は99・1%で前年度同期と比べ0・4ポイント上昇したが、全...

(2023-08-09)  全て読む

道教委 4年度通勤災害認定状況 2件減34件 7割出勤時 冬型事故1件増の21件に

 道教委は、札幌市を除く道内公立学校における4年度通勤災害の認定状況をまとめた。件数は前年度比2件減の34件で、7割が出勤時に被災。10月~5年2月に発生した冬型事故件数は21件と、前年度よ...

(2023-08-09)  全て読む

道教委のチャレンジテスト 6年度からメクビットに 31日から希望校で試行

 道教委は6年度から、ほっかいどうチャレンジテストを文部科学省のCBTシステムMEXCBT(メクビット)に完全移行する。5年度は希望校を対象に試行実施し、1学期末問題は31日から9月29日に...

(2023-08-08)  全て読む

道教委 地学協働活動推進会議 コーディネーター対象の研修を 活動紹介や意見交換など

 道教委は7月28日、オンラインで第1回道地学協働活動推進会議を開いた。地域における地学協働体制を構築するための方策について協議。構成員・アドバイザーからは「学校と地域をつなぐコーディネータ...

(2023-08-08)  全て読む

女性教員キャリアデザインセミナー 自分らしく働くため 胆振局 男性教員含む54人研鑚

女性教員のキャリアデザインセミナー  【室蘭発】胆振教育局は7月31日、むろらん広域センターを主会場に「女性教員のキャリアデザインセミナー」をハイブリッド形式で開催した。管内の小・中学校などから女性教諭を中心に54人が参加。講...

(2023-08-08)  全て読む