道教委 管理職のための特支教育研修会 日頃からの対話が大切 コーディネーター育成・活用(道・道教委 2023-08-16付)
道教委は8日、オンラインで第2回管理職のための特別支援教育に関する研修会を開いた。特別支援教育コーディネーターの養成・育成プログラムに取り組んでいる道教育大学釧路校の田中雅子准教授がコーディネーターの育成・活用の在り方について講話。一人ひとりの意見を生かして問題解決を進める技術「ファシリテーション」を使って、日頃から管理職とコーディネーターが対話しコミュニケーションを深めていく大切さを説いた。
研修会は、学校管理職の役割を明確化し、今後の学校経営等の充実につなげることをねらいに本年度から実施しているもの。第2弾となるこの日の研修会には、学校管理職や市町村教委職員ら600人超が参加した。
開会に当たり、道教委の山本純史学校教育監があいさつ。支援を必要とする児童生徒の実態把握や支援方策を検討する校内委員会の機能強化に向けて「特別支援教育コーディネーターがその役割を十分果たせるような校内体制を整備することが重要」と強調。本道の特別支援コーディネーターの約半数が経験年数3年未満である状況に触れ、本研修を契機に一層、自校の特別支援コーディネーターの専門性向上やコーディネーターを核とした国内支援体制の構築の見直しに生かすよう期待した。
引き続き、田中准教授が「特別支援教育コーディネーターの育成と活用~管理職だからできること」をテーマに講話。田中准教授と札幌市立南の沢小学校の佐々木一好校長、蘭越町立蘭越中学校の久米達夫校長、小樽潮陵高校の佐藤一昭校長のやりとりを参加者が外側から眺める「フィッシュボール(金魚鉢)形式」で研修を展開した。
はじめに、複数人の大人が並ぶ絵から、3人の校長が「宿題をたくさん出す癖のある先生はどの人か」を選択する演習を実施。田中准教授は、3人とも違う意見だったことを受け「同じようにスライドを見てるのに3人ともそれぞれ選んだ人が違い、選んだ理由も全く違う。違いに気付いて、違いを知って、その違いを楽しめることが特別支援教育において重要なポイントになる」と説いた。
続いて、校長が指名するコーディネーターについて「教員を指名した理由」「指名したコーディネーターの強み」「コーディネーターが困っていること」の3点を考える演習を展開。日常的にコーディネーターと対話してコミュニケーションを深める大切さを伝えた上で、一人ひとりの意見を生かして合意形成や問題解決を進める技術「ファシリテーション」を使って対話する必要性を示した。
このほか、実際に使える様々なファシリテーションの技術を紹介し「今後、管理職がファシリテーターになってもらい、コーディネーターと対話していただきたい」などと呼びかけた。
(道・道教委 2023-08-16付)
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