道 中高生が考えるワークショップ ケアラー独りにしない 授業の題材として求める声(道・道教委 2023-08-10付)
道は1日、オンラインで現役中高生が考える“ヤングケアラーを独りにしない”ワークショップを実施した。道内の中高生15人が参加し、ヤングケアラー支援に向けたアイデアを交流。参加者からは、ヤングケアラーを身近なものにするため、学校の授業の中で取り上げるよう求める声などが上がった。
ヤングケアラーは、本来大人が担うような家事や家族の介護などを日常的に行っている18歳未満の子どものこと。
道が3、4年度に道内の児童生徒等を対象に実施した調査では、ヤングケアラーに関する認知度が低いこと、ヤングケアラーと思われる子ども自身にその自覚が乏しいことなどが明らかになり、適切な支援につなげるために、社会的認知度の向上が求められている。
ワークショップは、児童生徒にヤングケアラーに関する理解や正しい知識を広める機会とするもの。また、ヤングケアラーへの理解を深めることを目的とした子ども向け電子ハンドブックを作成するに当たって、子どもの意見を取り入れた内容とするため、道内の中高生から広くアイデアを募集している。
はじめに、(株)ポロワッカ代表取締役の新宮賢治氏が「ヤングケアラー」についてレクチャー。具体例を示しながら「家計を支えるために労働し、障がいや病気のある家族を助ける」「日本語が第一言語ではない家族や障がいのある家族のために通訳をしている」などのケースもヤングケアラーに該当することを説明した。
続いて、道保健福祉部の野澤めぐみ子ども応援社会推進監があいさつ。ワークショップを通して「道内の中学生・高校生に“ヤングケアラーは自分事”として考えるきっかけにしてほしい」と話した。
引き続き、現役高校生であるヤングケアラー当事者へインタビュー。当該高校生は「中学時代は8時間以上家事などをしていた」「学校には昼から夕方の時間に通っていた」など、学校と日常生活の実情を語った。
このあと、3つのグループに分かれ、ヤングケアラー支援に向けたアイデアを交流。中高生からは「ヤングケアラーは思っていたより身近な存在で、気付いていない人が多いことが分かった。もし今後、周りにヤングケアラーの人がいたら助けたい」「当事者が何で困っているのかを行政側からのアプローチで話を聞いて実態を把握することが大事」「ヤングケアラーを学校の授業で取り上げたらもっと身近なものになるのではないか」などの意見が上がった。
これらの意見は、道が年内に策定する電子ハンドブックに一部掲載する予定。
(道・道教委 2023-08-10付)
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