渡島管内 文科省・道教委指定事業 新しい学び授業力向上 函館市、森町で 渡島局 文科2事業、道教委12事業
(道・道教委 2023-08-22付)

 【函館発】渡島教育局は5年度の管内における文部科学省および道教委の研究指定校をまとめた。本年度は、文科省で2事業、道教委で12事業の計14事業。新しいかたちの学びの授業力向上推進事業では、函館市と森町を指定地域に5校へ推進教員を配置。エビデンスに基づく資質・能力育成事業には長万部高校と松前高校を推進校に位置付けた。

 指定事業の概要はつぎのとおり。

◆文科省

▼スーパーサイエンスハイスクール

▽指定先=函館中部高

 高校および中高一貫教育校における先進的な科学技術、理科・数学教育を通して、生徒の科学的能力および技能ならびに科学的思考力、判断力および表現力を培い、将来国際的に活躍し得る科学的人材等の育成を図る。

▼教育課程実践検証協力校事業

▽指定先=道教育大附属函館中(国語)

 国公私立の幼稚園、小・中学校、高校、中等教育学校等で幼児児童生徒が学習に取り組む様子を視察し、国が示す施策の反映状況などを情報収集する。

◆道教委

▼地域医療を支える人づくりプロジェクト

▽指定先=函館中部高

 将来における本道の地域医療を支える人材を育成するため、医学部への進学を目指す道立高校の生徒に対し、地域医療の現状や医師という職業への理解を深める機会を提供し、地域医療を担う使命感を育成するとともに、教育課程や指導方法の改善・充実を図ることにより、進路希望の実現に向けた効果的な学習支援に努め、もって本道の高校教育全体の活性化に資する。

▼高校生ステップアッププログラム

▽指定先=松前高、南茅部高

 道立高校におけるいじめや不登校、中途退学の未然防止、自殺の予防を図るため、集団カウンセリングや自殺予防教育プログラムを活用した取組を実践するとともに、全道の高校への普及を図る。

▼エビデンスに基づく資質・能力育成事業

▽指定先=長万部高、松前高

小中高12年間を一体的に捉えた児童生徒の学力や学習状況等を踏まえ、各管内でICTを効果的に活用した組織的な授業改善や学力向上等に向けた体制の整備など小中高一貫した取組を推進する。

▼渡島フロンティア人材育成事業

▽指定先=南茅部高、南茅部小、南茅部中

 世界遺産「縄文文化」の継承と活用を地域課題と捉え、小・中学校、義務教育学校、高校の異校種と大学、市町村教委などの外部人材が連携し、地学協働体制を構築するとともに、地域の活性化や探究活動の充実を目指す。

▼学校力向上に関する総合実践事業

▽指定地域=函館市(本通中、鍛神小、南本通小、東山小、本通小)、七飯町(七飯小、藤城小、峠下小、七飯中)、知内町(湧元小、知内中)、福島町(福島小)

 管理職のリーダーシップのもと、全教職員が一つのチームとなって包括的な学校改善を推進する学校モデルを提示し、実践の成果を普及・啓発するシステムを構築することによって、道の小・中学校の学校力向上を図る。

▼ふるさと教育・観光教育等推進事業

▽指定先・実践校=北斗市石別小(アイヌ)、八雲町八雲中(北方領土)、福島町福島小(観光)、森町鷲ノ木小(縄文)

▽指定先・協力校=長万部町長万部小(アイヌ)、北斗市大野中(北方領土)、函館市万年橋小(縄文)、松前町松前中(北海道遺産)

 道徳、総合的な学習の時間、特別活動等において「アイヌの人たちの歴史・文化等」と「北方領土」の学習を取り上げたり、道の自然や文化、観光産業等の教育資源を活用したりすることによって、道についての理解を深め、郷土に対する愛着や誇りを育むふるさと教育・観光教育の充実を図る。

▼英語教育推進事業

▽指定先=八雲町八雲小、七飯町大沼岳陽

 学習指導要領等の趣旨を踏まえ、児童生徒に4技能5領域のバランスの取れた英語力を育むための指導方法等について実践研究を行い、その成果を普及することで英語教育の充実を図る。

▼新しいかたちの学びの授業力向上推進事業

▽指定地域・配置校=函館市(あさひ小、桔梗小、北昭和小)、森町(森小、さわら小)

▽連携校=函館市(日吉が丘小、弥生小、港小)、森町(鷲ノ木小、駒ヶ岳小、尾白内小)

 児童生徒の資質・能力に積極的に取り組もうとする複数の小・中学校に1人ずつ新しいかたちの学び推進教員を配置し、その推進教員からなる「新しいかたちの学び授業力向上推進グループ」を活用して、小学校においては教員の授業力向上や学校全体の授業改善、中学校においては地域全体の数学に係る授業改善に取り組むとともに、成果を普及する。

▼自主・自律的な学習習慣・生活習慣確立モデル事業

▽指定先=函館市万年橋小、北昭和小、深堀小、桔梗中、森町森中、七飯町七飯中

 自主・自律的な学習習慣や生活習慣の確立に向け、端末を活用した取組を推進し、その成果を全道に普及する。

▼中1ギャップ問題未然防止事業

▽指定先=北斗市(上磯中学校区)―上磯小、久根別小、谷川小、沖川小

 小学校6年生が中学校1年生に進学した際、社会的スキルが不十分等の個人的な要因あるいは、家庭的な要因などを抱えた子どもが、学習環境や生活環境等の大きな変化に適応できないといった小・中学校間の接続の問題(いわゆる中1ギャップの問題)を解決するため、子どもの人間関係づくりの能力の育成や小・中学校間の接続の問題(いわゆる中1ギャップの問題)を解決するため、子どもの人間関係づくりの能力の育成や小・中学校間の連携を促進するとともに、家庭や関係機関との情報共有を図る取組を実施する。

▼体育専科教員活用事業

▽指定先=本務校・松前町松城小、兼務校・松前町大島小、小島小

▼発達障がい成果普及事業

▽指定地域=長万部町

 道の全ての教員の発達障がいに関する専門性の向上を図るため、各管内に推進校を指定するとともに、発達障がいのある子どもやその保護者への早期からの教育相談や支援体制の充実を図るため、道内の全管内に推進地域を指定する。取組の成果を広く道内に普及し、道における発達障がいの可能性のある幼児児童生徒の支援の充実を図る。

(道・道教委 2023-08-22付)

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