道特別支援副校長・教頭会が夏季研 対話重ね心理的安全性を 道教委・佐古指導監ら講話(道・道教委 2023-08-23付)
自校の良さや課題について意見交換した
道特別支援学校副校長・教頭会(鴻江康人会長)は9日、ホテルライフォート札幌で夏季研究協議会を開催した。主題は「特別支援学校における学校運営の充実・改善に向けた副校長・教頭の役割について」。講話や協議などを通して、管理職として求められる職能の向上を図った。
副題は「絶えず変化する社会に対応する学校運営と副校長・教頭の資質・能力向上に向けて」。会員93人が出席した。
鴻江会長はあいさつで、教師のウェルビーイング向上に向け「どのような学校づくりを志向するべきか」と問いかけた。保護者や地域、教職員自らも信頼性のあることが求められているとし「従来の働き方改革を超えた働きがいのある職場づくりを軸に、同僚との連携・協働のもと、教師としての成長が実感できるなど、心理的安全性を基盤とした学校文化の醸成が必要」と訴えた。
そのため、副校長・教頭として教職員個々の有する個性や能力に注目し「主体的に学校経営に参画するための組織や良好な人間関係の構築、ステージに応じた研修機会の確保、個の力量を生かす校内人事に注力するなど、教職員の人生を尊重し教職キャリアを支援する役割が強く求められる」と述べ、特別支援教育のさらなる充実・発展に期待した。
来賓あいさつに立った道特別支援学校長会の伊藤友紀副会長(札幌あいの里高等支援校長)は「専門的知識の向上は、より質の高い教育を提供するために不可欠で、児童生徒の成長につながるものと信じている」と述べ、研修を通して「新たなアイデアや最善の方法を発見し、互いに刺激し合いながら成長してほしい」と願った。
講話では、道教委の佐古勝利教育指導監が「心理的安全性の高い職場環境づくり」、道立特別支援教育センターの今井章文所長が「人材育成」、伊藤副会長が「経営ビジョンを構想する力のかん養」についてそれぞれ説明した。
佐古教育指導監は、心理的安全性が高く、求められる水準が高い職場を「学習する職場」と定義。こうした職場には「健全な衝突と高いパフォーマンスが見られる」とし、仕事の要求度が高くても自分自身で選択・決定できる場合は「ストレスが少なく、積極的な姿勢を生むことにつながる」と強調した。
心理的安全性を生む因子として①話しやすさ②助け合い③挑戦④新奇歓迎―の4つを指摘。「部下からの報告という行動自体を褒めたり、挑戦や失敗を歓迎したりする環境を醸成してほしい」と呼びかけた。
学習指導要領に示された主体的・対話的で深い学びに触れ「キーワードは対話。教師の学びの姿に通じる」と強調。「教師が対話できなくて、子どもに対話する力を身に付けさせることができるのか」と疑問を呈し、職場内において対話を繰り返しながら合意形成を図り、納得解にたどり着くことの重要性を説いた。
講話のあと、道教委特別支援教育課の仙北谷逸生課長補佐による行政説明、「働き方改革」やテーマ別協議を行い、職能向上に向けて研鑚を積んだ。
(道・道教委 2023-08-23付)
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