北広島市教委 生成AI利用説明会 規範的な行動が大切 注意点や機密保護など周知
(市町村 2023-08-25付)

 北広島市教委は8月上旬、市内小・中学校の全教職員を対象とした生成AIの利用に係る説明会をオンライン開催した。利用上の注意点や機密情報保護などについて周知。学校現場における情報管理や、市の今後の方針などを示した。

 文部科学省がことし7月に「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を策定したことを受け、市は「学校における生成AIの活用に対する当面の考え方」を発出した。

 今回の説明会は生成AIに対する理解を深めることが目的。市内の全教職員に視聴を求めた。

 前半の「生成AIについて・市ガイドラインについて」では、生成AIの利用用途や利用に当たっての注意点を喚起した。生成AIの定義や代表的な画像生成AI、対話型生成AIを紹介。利便性の高さを示す一方で「情報漏えいや権利等侵害、倫理に反する表現などの危険性もある」と警鐘を鳴らした。

 生成AIの利用用途が質問回答文案の作成や文章の要約翻訳など8項目に限っていることを確認。注意点として、意図しない情報漏えいを防ぐために生成AIが入力内容を学習しない「オプトアウト」を設定することや、市が作成した文章として適切かどうか複数人で精査することなど5項目を定めた。

 機密情報保護のため、外部利用の際は著作権等を侵害していないか留意すること、個人情報やプライバシー情報は入力しないことを強調した。

 後半は、川又洋火学校教育課長が「生成AIを利用する際の教職員のモラルや服務規律について」の説明を行った。

 学校現場では、AIによる生成物であるにもかかわらず、家庭学習や長期休業課題などで自己の成果物として公表する行為が不適切・不正であることを十分に指導するよう求めたほか、地方公務員として信用失墜行為の禁止や守秘義務などの法令順守事項を再確認した。

 教育情報セキュリティーの観点から、指導用端末から生成AIを利用する場合は事前に市教委へ申請するよう求めた。

 市は、8月下旬までに児童生徒用端末から生成AIにアクセスできないようにするiフィルターを設定する方針。

 今後は①教職員自身が利用し実態を把握②児童生徒がどのようにAIを活用できるか―の2点について検討する方針を示した。

 川又課長は、学習指導要領を引用しながら「児童生徒の情報活用能力の育成について一層の充実を図る必要がある」とコメント。「高い倫理観に基づき規範的な行動をすることが重要」と述べた。

(市町村 2023-08-25付)

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