文科省 不登校特例校を改称 〝学びの多様化学校〟に 6年度設置校拡充を計画(国 2023-09-04付)
文部科学省は、特別な教育課程を編成・実施できる不登校特例校の名称を「学びの多様化学校」に改称した。6年度予算概算要求では全国20ヵ所の設置準備に加え、設置後の運営の支援やスクールカウンセラーなどの人員配置に必要な経費を新たに措置。クラスに入りづらい児童生徒のため、居場所を提供する校内教育支援センターを全国の学校3600校に設置するなど、対策を強化する考えだ。
不登校の児童生徒数は9年連続で増加し、3年度は全国で約30万人を記録。学校内外の専門機関で相談・支援を受けていない小中学生が4・6万人いることが分かった。文科省はことし3月に不登校対策COCOLOプランを策定し、全ての児童生徒の学びの場を確保する方針を示している。
新名称は、全国の不登校特例校の児童生徒・教職員を対象に意見を募集し、8月31日の「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策推進本部」第2回会議で公表。同日付で関係者に通知した。
学びの多様化学校は現在、公立・私立を含めて24校あり、道内では学校法人国際学園が平成26年に開校した星槎もみじ中学校(札幌市)が唯一指定を受けている。同校は併設している星槎国際高校の生徒と中高合同で行う「もみじゼミ」を実施しているほか、プロの演出家を講師に招き、全校で一丸となってミュージカル作品を作る「芸術作品体験授業」など特色ある教育活動に取り組んでいる。
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文科省の6年度予算概算要求では、不登校対策の関連事業に前年度の33・7%増となる115億円を要望。学びの多様化学校は全国20ヵ所の設置準備と10ヵ所の運営支援を計画。スクールカウンセラーやスクール・サポート・スタッフの新規配置も予定している。
教室に行きづらい児童生徒のために退職教員やスクールカウンセラーが相談に対応する校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム)の設置支援も開始。6年度は全国3600の学校に設置する計画で、落ち着いた空間の中で自分に合ったペースで学習・生活し、クラスとつなぎ授業を受けることができる環境を整備する。
このほか、教育支援センターにおけるICT環境整備の支援も開始。校内教育支援センターと同様、自分のクラスとつないでオンライン指導やテストを受け、成績に反映させる仕組みを構築する。
(国 2023-09-04付)
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