理数系人材育成へ文科省　探究学習の指導法開発　事例集や指導案を作成・周知

（国 2023-09-08付）

　文部科学省は６年度から、理数好きな児童生徒を育てる探究学習推進プランの開始を計画している。小・中学校、高校を実践校として指定し、探究学習の指導方法の開発・調査に取り組むもの。児童生徒が成果を発表する報告会や、教師が指導方法を協議する研究協議会を開催し、成果を全国に展開する。

　国際学力調査「ＴＩＭＳＳ２０１９」によると、日本の算数・数学の平均点は小学校が３９ヵ国中４位、中学校が５８ヵ国中５位、理科は小学校が３９ヵ国中３位、中学校が５８ヵ国中４位と高水準にあるものの、「勉強が楽しい」と回答した児童生徒の割合は国際平均を下回り、学校種が上がるにつれ下降する傾向にある。

　このため文科省は、児童生徒が理数系教育に興味・関心を持ち、探究的な学習を小学校段階から着実に推進するため同事業の開始を計画。６年度予算概算要求に３０００万円を要望した。

　事業の初年度は全国の小学校から高校（スーパーサイエンスハイスクール指定校を除く）８校を実践校とし、探究に関する指導方法の開発に取り組む。外部講師の講演料、フィールドワークの旅費、教材費など２００万円まで支援する予定。

　また、指定校を中心に調査校（予算措置なし）の児童生徒も加わり学習の成果を発表する報告会を開催して成果の普及を図る。

　また、事業を受託する大学で探究に関する調査を開始。教師のための指導方法を研究する協議会を開催し、取組の成果を指導事例集や指導案としてまとめる。

(国 2023-09-08付)