厚沢部町教委　檜山初の義務教育学校　１０年度にも開校検討　１０月の総合教育会議で方針

（市町村 2023-09-06付）

　【函館発】厚沢部町教委は学校規模の適正化に向け、令和１０年度にも義務教育学校の開校を検討している。現在、町内各地区および各校で学校教育の在り方に関する説明会を開き、地域住民や保護者らから意見を聴取中。今後はパブリックコメントの実施を経て、１０月の総合教育会議で方針が示される予定。実現すれば檜山管内初の義務教育学校設置となる。

　町内３小学校における本年度の入学児童数は１９人。１１年度は町全体の新１年生が７人となる見通しで、鶉小学校は次年度から、館小学校は１１年度から学級数２学級となる見込み。施設面では全校で築４０年が経過しており、著しい老朽化に伴い、効率的かつ効果的な施設の再生によるコスト縮減が急務となっている。

　教育環境の向上に向け、元年度には鶉小に通う児童の保護者らが町教委に対し、町内３小学校の統合を求める要望書を提出していた。

　新型コロナウイルスの５類移行を踏まえ、町教委は８月から学校教育の在り方に関する地域説明会の場を町内各地区および全小・中学校で設定。町内児童生徒数の現状や、統廃合を視野に入れた小中一貫教育推進の方向性など今後の学校教育の在り方ついて地域住民や保護者、学校関係者に説明した。

　今後は説明会で上がった意見やパブリックコメントを踏まえ、１０月開催予定の総合教育会議で小中一貫基本方針を決定する予定。学校関係者や保護者らで構成する義務教育学校設置に向けたワーキンググループも発足させる。

　町教委は「現時点では反対意見は少なく、前向きな意見が多く寄せられている」としており、早ければ１０年度の開校に向け準備を進めていく見通しだ。

(市町村 2023-09-06付)