中学校職場体験学習の教員負担軽減へ　協力者をリストアップ　音更町教委　７７者受入許諾

（市町村 2023-09-12付）

　【帯広発】音更町教委は、中学校における職場体験学習の協力者をリストアップすることで、教職員の業務負担の軽減につなげている。紙面調査や直接交渉を通して、公共機関や産業団体、教育等の１７分野７７者が受け入れを許諾。職場体験学習を通じて子どもたちが触れる職種の幅を広げ、将来の目標につながることを目指している。

　職場体験学習は、職業観の育成や将来の目標に向けた意欲向上をねらい、中学校２年生を対象に町内各所で例年行われている。これまでは教職員が受け入れ先との交渉や調整等を行っており、通常業務を圧迫する一因となっていた。

　町教委は、教職員の業務負担軽減とともに、子どもたちが体験する業種の幅を広げようと、管内企業等との橋渡し役を担っている。４年度の試行を経て、５年度から本格実施。各所に各校の職場体験学習の実施日程を提示した上で、受け入れの可否や受け入れ可能な人数等を紙面調査したほか、町教委職員が直接足を運び交渉したことで、許諾を得た業者もあった。

　５年度は、町役場をはじめとする公共機関や産業団体、金融、医療、教育、観光など、１７分野７７者から協力を得た。教育分野では町内小学校４校に加え、幼児教育機関や高等教育機関が受け入れを許諾した。

　中学校４校の職場体験学習、１校の職場学習講演会は１０月中旬から１１月上旬にかけて行われる。生徒の希望をもとに、各校は９月中に協力業者のリストから受け入れ先を選定し、各所に連絡する仕組みとなっている。

　町教委生涯学習部地学連携担当課長の大森洋臣氏は、業者と交渉する中で「個人経営の業者においては、学校に足を運ぶ出前授業より、生徒が店舗に向かう職場体験学習の方が参画しやすい」という声があったことを振り返った。「子どもたちの職業選択の幅や将来の夢が広がれば」と期待を寄せている。

(市町村 2023-09-12付)