中札内村部活動地域移行推進協 子の考え尊重の工夫を 指導者が順化する仕組みも
(市町村 2023-09-20付)

中札内・部活動地域移行推進協議会
中札内・部活動地域移行推進協議会

 【帯広発】中札内村部活動地域移行推進協議会の第2回会議が12日、村創造文化センターで開かれた。児童生徒および保護者、教員を対象に実施したアンケートの結果を踏まえ「子ども・環境整備」「指導者」をキーワードに協議。部活動に対する子どもの考えを尊重する工夫や、指導者が学校部活動に順化するための仕組みづくりなどに関する意見が寄せられた。

 村教委は6月中旬に部活動地域移行推進協議会を設置し、本年度から3ヵ年の推進計画を共有。平日の指導を含めた部活動の地域移行を進める考えで、スポーツ少年団の9年制や、地域の指導者に対する生徒指導面の研修機会設定などを提案している。

 第2回会議では、児童生徒(小学校4~6年、中学校全学年)および保護者、教員に対して6月中に実施したアンケート調査を公表した。

 児童生徒は「友達や指導者・保護者から褒められた時」に喜びを感じるという回答が多く、村教委は「スポーツや文化活動は自己肯定感の高揚につながる」と分析した。

 小・中共通して「勝敗よりも、楽しむ・成長・自信を持つこと」が大切と回答。ソフトテニスや吹奏楽など、少年団活動にはない種目に興味を持っている児童生徒が多く、中学生からは「筋肉のバランスを整え、体全体の安定性を保つ」活動を望む声が多く上がったという。

 保護者は「人間として成長し、自信を持つ」「仲間と良い人間関係をつくる」の2点を部活動に求めている。地域移行に対しては、送迎や会費、指導者、指導方法の変化に不安を抱いていることが判明。月謝金額の許容範囲として、小学生保護者は4000円以下・6000円以下、中学生保護者は下限0円・2000円以下・2万円以下との回答が多かった。

 村教委は結果を踏まえ、子どもたちの活動の選択肢を広げるために「子ども・環境整備」「指導者」の2点をキーワードに据え、委員間で協議した。

 全委員が少年団活動の9年制に賛成。推進に当たり「競技性を求める子どもへの配慮として、各部活動に自由参加可能な曜日を設ける」「中学生から小学生に教える場面など、自主性・自立性の育成につながる」などの意見が上がった。

 指導者に関しては「指導者が子どもの特徴や活動状況を把握するための試行期間を設ける」「小・中学校で部活動指導を希望する教職員が往来できるよう、母体となる団体が必要」などの声が寄せられた。

(市町村 2023-09-20付)

その他の記事( 市町村)

中札内村教委 部活動地域移行へ 自分の体と付き合う 中学生の声に応え「からだ塾」

中札内・部活動地域移行に向けた取組  【帯広発】中札内村教委は部活動の地域移行に伴い、中学生を対象とした体づくりに関する取組「からだ塾」を実施している。生涯にわたり楽しめるスポーツ活動を望む生徒の声に応え企画した。21日、中札...

(2023-09-27)  全て読む

町教委 全道初、全国2例目 産休、育休明け教職員等の憩いに 佐呂間中にマザーズルーム

佐呂間中にマザーズルーム設置道内の公立学校では初  【網走発】佐呂間町教委は、佐呂間中学校(安田吉雄校長)に、産休や育休明けの教職員のためのマザーズルームを設置した。公立学校共済組合の支援事業を活用したもので、全国で2例目、道内では初。産休...

(2023-09-25)  全て読む

厚沢部町教委 部活動地域移行 試行的取組 10月開始 体づくりや体幹訓練学ぶ場を

 【函館発】厚沢部町教委は部活動地域移行に向けた試行的取組を10月から開始する。中学校の運動部員を対象に専門講師からけがをしない体づくりや体幹トレーニング等を学ぶ場を設定。単独で設置する4つ...

(2023-09-25)  全て読む

稚内市教委 学校教育推進計画策定 次代のわっかない人育成 地域と共にある学校構築へ

 【稚内発】稚内市教委は、本年度から9年度までを計画期間とした「市学校教育推進計画」を策定した。学校教育指針は「次代を担うわっかない人(びと)の育成。地域と共に在る学校の構築」。学校教育で...

(2023-09-22)  全て読む

厚沢部町でICT教育セミナー 先の未来イメージして 文科省・武藤氏が講演

厚沢部町ICT教育講演会・武藤氏講演  【函館発】厚沢部町ICT教育推進委員会と厚沢部町教委は10日、町民交流センターでICT教育セミナーを開いた。檜山・渡島管内の教育関係者ら約80人が参加。文部科学省初等中等教育局修学支援・教...

(2023-09-22)  全て読む

佐呂間中 部活動地域移行見据え バドミントンなど 3種目で部創設 各部に指導員1人ずつ配置

佐呂間町教委部活動地域移行バドミントン部始動  【網走発】佐呂間町立佐呂間中学校(安田吉雄校長)は、部活動の地域移行を見据え、8月中旬にバドミントンなど3種目で部を新たに創設した。これに伴い、各部に部活動指導員1人を採用。バドミントン部...

(2023-09-15)  全て読む

普通教室エアコン設置へ より良い学習環境を 帯広市議会が緊急要望

市議会市長にエアコン要望  【帯広発】帯広市議会は7日、市内小・中学校および義務教育学校、市立帯広南商業高校の普通教室へのエアコン設置を求め、米沢則寿帯広市長に緊急要望を行った。8月中旬以降の記録的な猛暑を受け「子ど...

(2023-09-13)  全て読む

中学校職場体験学習の教員負担軽減へ 協力者をリストアップ 音更町教委 77者受入許諾

 【帯広発】音更町教委は、中学校における職場体験学習の協力者をリストアップすることで、教職員の業務負担の軽減につなげている。紙面調査や直接交渉を通して、公共機関や産業団体、教育等の17分野7...

(2023-09-12)  全て読む

函館市教委 5年度全国学力等調査 ICT活用小・中で増 「いじめ許されない」高い傾向に

表  【函館発】函館市教委は本年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。質問紙調査の結果からICTを活用した授業場面が小・中学校共に増えていることや「いじめは許されない」という意識が全国と比較...

(2023-09-11)  全て読む

池田町教委 部活動地域移行検討協 持続可能な環境整備を 道教委アドバイザー招き

池田町教委・部活動協議会  【帯広発】池田町教委は8月28日、町福祉センターで第2回学校部活動地域移行検討協議会を開いた。道教委の部活動の在り方検討支援アドバイザー派遣事業を活用し、登別市のNPO法人おにスポ理事長・...

(2023-09-08)  全て読む