函館市教委 5年度全国学力等調査 ICT活用小・中で増 「いじめ許されない」高い傾向に
(市町村 2023-09-11付)

表
函館市立学校の各教科平均正答率(クリックすると拡大表示されます)

 【函館発】函館市教委は本年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。質問紙調査の結果からICTを活用した授業場面が小・中学校共に増えていることや「いじめは許されない」という意識が全国と比較して高い傾向にある特徴が分かった。一方、家庭学習時間の短さや学んだ内容を振り返り、つぎの学習につなげる点に課題が見られている。

 調査はことし4月に実施。市内小・中学校、義務教育学校の小学6年と中学3年(義務教育学校は9年)約2900人が受験した。国語、算数・数学に加え、中学校で4年ぶりに英語を実施した。

 小6は国語の平均正答率が65%で算数は58%。中3は国語の平均正答率が67%、数学が46%、英語が42%と、5教科とも全国、全道平均を下回った。

 児童生徒対象の質問紙調査では「小学校5年まで(中学校は1・2年次)に受けた授業でICT端末をどの程度使用したか」の質問に、「ほぼ毎日」と回答した割合が小学校で43・1%、中学校で41・8%と、いずれも全国より約15ポイント高い。

 また「いじめはどんな理由があってもいけないことだと思いますか」との問いに、「当てはまる」と回答した割合は小学校が84・3%、中学生で86・9%と全国平均を上回った。

 一方、平日の家庭学習の時間数を問う質問に、1時間以上と回答した児童の割合は51%で前年度より約8ポイント減。2時間以上と回答した生徒の割合は28・4%で前年度より2ポイント減で、いずれも全国平均より低い。

 「学習した内容について分かった点やよく分からなかった点を見直し、つぎの学習につなげることができているか」との問いに、「当てはまる」と回答した児童生徒の割合は小学校で26・4ポイント、中学校で21・7ポイントと、いずれも前年度より約4ポイント減で全国平均を下回った。

 市教委は調査結果から見える子どもの特徴として「授業中に学習用端末を活用する場面が増えている」「いじめは許されないという意識が高い傾向にある」とする一方「家庭での学習時間が短く、学習内容を振り返り、つぎの学習につなげることに課題がある」「各教科とも全国や全道との間に大きな差がなくなってきているが、引き続き一層の努力が必要」と分析している。

 藤井壽夫教育長はコメントを発表し「学習用端末が多くの学校で活用され、個別最適な学びや支援が進められている一方、学習習慣に関わる課題があり、学習した内容を振り返り、つぎの学習へつなげることが必要」と説明。「調査結果を活用した検証改善サイクルの質をさらに高め、子どもに寄り添う指導・支援の充実を目指し取り組んでいく」としている。

(市町村 2023-09-11付)

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