総探で地域連携マイプロジェクト　課題解決へ企画提案　幕別清陵高　各関係者と協力し

（学校 2023-10-19付）

幕別清陵・探究活動新カリキュラム始動

　【帯広発】幕別清陵高校（小島政裕校長）は５年度、１年生総合的な探究の時間において新カリキュラム「地域連携マイプロジェクト」を始動した。管内の流通や福祉、まちづくり等に携わる関係者１３者が協力し、高校生と共に地域や社会における諸課題の解決に向けて企画を進めるもの。２年生前期までの約１年間を通して、生徒たちが多くの人との関わりの中で自己理解を深め、将来への視野を広げることを目指す。

　同校は全学年の総合的な探究の時間で、ＳＤＧｓを主軸に据えた探究活動を進めることで「今だけ、自分だけでない価値観」の育成を図っている。４年度まで、１年生はＳＤＧｓに関して調べ、課題解決に向けたアイデアを考え発表する授業計画を採用した。

　１学年主任の羽田野圭介教諭は「経験、人との関わりによって自己理解を深めてほしい」と考え、地域による企画提案型の探究学習を新たに企画した。地域や社会のために行動することがＳＤＧｓの達成目標につながることを実感するよう展開する見通し。進路活動が本格化する前に１年生から学習を進めることで、将来の選択肢が増えることを目指している。

　企画の実現に向けて、町内で地域住民の交流スペースやイベントの企画・運営に携わり、同校コミュニティ・スクール委員を務める福島智大さんがコーディネーターの役割を担った。

　農業や流通、福祉、ものづくり、地域コミュニティーの活性化などに携わる事業者等１３者を羽田野教諭へとつないだ。「関わる大人たちも、子どもが育ち担っていく今後の社会や環境を考えるきっかけにつながると思う」と、社会教育士としての視点を持って参画している。

　１２日、協力者は高校生と共に進めたい企画を携えて来校。生徒は興味・関心のあるテーマに応じて各ブースで協力者と顔を合わせた。

　町商工観光課地域おこし協力隊の谷保明洋さんは、まちづくりや地域コミュニティーに関わる企画２点を提示した。空き家を利用した既存施設に同校のスペースを設け、作品展示や広報活動などを依頼。また、町が連携協定を結んでいる北海道科学大学の学生が利用するサテライトスペースづくりを計画している中、高校生に誘致活動や活性化を実現するための企画立案を要望した。

　このほか、障がいのある人が携わるアート展の開催、革細工製品のデザイン考案、人型ロボット等のプログラミングなど、幅広い分野の企画がそろっている。

　小島校長は「生徒には大人の感覚を持って卒業を迎えてほしいと考えている。校外へと一歩踏み出し、多くの大人と関わり、視野を広げるきっかけが増えたら」と期待。また「教員も学校の外を知り、子どもへの指導に説得力を持つ貴重な機会。地域とのつながりを持ち、持続可能な取組にしたい」と話している。

　生徒たちは今後、協力者と企画を具体化し、実現を目指す。現１年生のプロジェクトは６年度の夏ごろまで続く。

(学校 2023-10-19付)