函館市教委の藤井教育長　校長会議で個人情報取り扱い講話　ミス前提で組織的対応

（市町村 2023-10-25付）

藤井教育長は無意識によるミス防止に向けた具体例を伝えた

　【函館発】函館市教委の藤井壽夫教育長は１７日、市民会館で開いた市立学校校長会議で、個人情報の取り扱いについて講話した。個人情報等の漏えい等のミスは不注意によるものが大半を占めることを解説し、組織として防止徹底を図ることが重要と強調。市内の公立学校長ら約６０人に対し、慎重な取り扱いを求めた。

　藤井教育長は個人の情報漏えいや紛失等の事故は、年度末や年度当初に発生しやすい傾向にあることを説明。中学校においては、高校入学者選抜の出願時期を控えていることを踏まえ、危機意識の向上をあらためて呼びかけた。

　４年度の一般企業における情報漏えいの要因に関するデータを示し「ウイルス感染・不正アクセス」「誤操作・誤送信」「紛失・誤廃棄」「盗難」の順で事故が発生していることを説明。

　不正アクセスについては、ＯＳのアップデートをしていないことで情報セキュリティーが脆弱となることを伝えた上で「他のシステムでも同じパスワードを使い回していないか」「端末の前に付箋紙でパスワードを貼り付けていないか」と問い、無意識によって人為的ミスが発生する恐れを指摘した。

　学校で扱う指導要録や成績物、個人調査票は最重要文書であるとの危機感を抱く重要性を強調。徹底した管理に向け、年間３回以上の情報漏えいに係る研修の受講や個人情報を含むファイルにはパスワードを設定することなどを具体的対策として提案した。

　学校長らに対し「ＩＣＴに慣れている人でも事故が発生し得る危険がある。“うっかりミスをする”ということを前提に組織として守ることが大切」と呼びかけた。

(市町村 2023-10-25付)