幕別中活用の義務教育学校　８年度開校へ方針案　本年度内に準備協設置　幕別町教委

（市町村 2023-10-27付）

　【帯広発】幕別町教委は、町立幕別中学校を活用した義務教育学校の８年度開校を目指し、方針案を決定した。６年度当初予算に増築・改修に係る実施設計費、７年度当初予算に工事請負費等を計上する予定。本町地区義務教育学校準備協議会（仮称）を５年度内に設置し、開校までに計１７回の会合で教育課程区分や指導形態等に関して協議する。

　幕別小学校および幕別中からなる「まくべつ学園」は元年度から、施設分離型の小中一貫教育を推進。義務教育９年間を見通した計画的・系統的な学習指導や生徒指導によって、学力向上や中１ギャップの緩和等に成果が出ている。

　幕別小の施設劣化状況や児童生徒数の減少などを踏まえ、町教委は昨年から学園における小中一貫教育の今後の方向性を模索。ことし５月に実施した保護者アンケート、９月に開催した地域説明会を経て、幕別中を活用した義務教育学校の設置に係る方針案をまとめた。

　町教委は、義務教育学校のメリットとして、独自の教育区分による発達段階に応じた効果的な教育課程の編成、一つの学校組織として多くの教職員が児童生徒を見守る体制の確立、教員間の情報共有の充実などを挙げている。一方で、人間関係の固定化、小学校６年生のリーダーシップや達成感の低減など、デメリットと考えられる部分は「具体的な運営方法によって軽減できる」との見解を示している。

　第４回定例町議会で本町地区義務教育学校準備協議会（仮称）の設置に係る条例改正案とともに補正予算案を提出する見通し。設置後、７年度末までに計１７回の会合を開く予定。

　まくべつ学園運営協議会の代表者や学校関係者等を構成員とし、増築・改修の内容、教育課程区分・指導形態、ＰＴＡの再編対応、校名・校歌・校章などを検討する。

　幕別中の増築および改修に関しては、６年度当初予算に実施設計費、７年度当初予算に工事請負費等を盛り込む見通し。７年度に着工し、８年度開校を目指す。

　方針案は、今月２６日から約１ヵ月にわたりパブリックコメントによって町民から意見等を募集する。１１月２８日開催予定の教育委員会会議で、意見等を踏まえて方針を策定する見通し。

　今月２４日に町役場で開かれた総合教育会議では、委員から「保護者として、教職員が一体となり子どもと接することを期待しており、教職員間の円滑な情報共有等にメリットを感じる」「多くの目によるきめ細かで長期的な指導が期待できる」など、肯定的な声が多く上がった。

　菅野勇次教育長は、道内で義務教育学校を設置した自治体から「施設併設型から義務教育学校へと移行し、教職員間、児童生徒間の交流が活発になった」との声を受けたことを紹介した。

(市町村 2023-10-27付)