佐呂間町教委　休業期間延長　総日数５６日　校長裁量で　熱中症対策等へ規則改正

（市町村 2023-10-30付）

　【網走発】佐呂間町教委は、２６日に開かれた教育委員会議で学校管理規則を一部改正した。夏季・冬季休業日を従来の各２５日以内から「総日数５６日の範囲で、校長が定める」と改めた。児童生徒の熱中症対策や教職員の働き方改革などに対応したもの。標準授業時数については、全校で余剰時数が確保されているため、休業日を追加しても対応できると判断した。新たな規則は同日付で施行した。

　町立学校をみると、小学校３校、中学校１校の普通学級および特別支援学級などで既にエアコンを完備。一方で、町教委は今夏の猛暑に加え、今後さらに温暖化が進むとされる気候変動への対応、教職員の働き方改革のさらなる推進に向けて、夏季・冬季休業日の柔軟な対応について検討していた。

　今回開かれた教育委員会議において、夏季・冬季休業日の合計を５０日とする学校管理規則の見直しを審議。夏季・冬季それぞれ２５日以内と定めていたものを「総日数５６日の範囲内」とし、校長の裁量で決定できるよう改めた。

　５６日を基準に設定した理由について町教委は「他の都府県立学校の管理規則を調査したところ、５６日が最も多かった」としている。

　授業時数確保に当たっては、町内全校で標準授業時数を上回っているため、今回の変更で休業日が最大６日増となった場合でも十分な時数を確保できると判断した。

　改正によって、児童生徒が休業期間中に開かれる社会教育イベントに参加する機会が増加するなど豊かな学びを保障するとともに、教職員の教材研究に費やす時間の創出や年次休暇の取得促進など、働き方改革の一層の推進が期待される。

　谷川敦教育長は「今後とも学校の環境整備を図りつつ、教職員の働き方改革を進めることで、教職員が心身共に健康ではつらつと児童生徒に向き合うことができるよう取り組みたい」としている。

(市町村 2023-10-30付)