渡島西部４町とＢＵＫＡＲＵ　部活動広域連携へ協定　移動手段確保や遠隔指導等

（市町村 2023-10-26付）

（左から）小野寺福島町教育長、宮島松前町教育長、森田代表、堂下知内町教育長、藤澤木古内町教育長

　【函館発】松前町、福島町、知内町、木古内町の渡島西部４町と㈱ＢＵＫＡＲＵ（札幌）は２４日、部活動の広域連携に向けた連携協定を結んだ。休日の地域移行実現に向け、教員の負担軽減や部活動の持続性等の課題に共同で対応することを確認。今後は移動手段の確保やＩＣＴを活用した遠隔部活動、新たな財源の確保に着手し、生徒の新しい学習環境の整備や地域の活性化につなげる。

　経済産業省の「未来の教室」実証事業に採択されたＢＵＫＡＲＵが主導し、少子化が進行する地域における中学校の部活動の課題について４町が共同で取り組むもの。

　連携事業では、４町で合同チームを編成している野球とバスケットボールに加え、陸上の３種目を中心に合同部活動に取り組む。

　教員の負担軽減に向けた外部指導員の確保については、函館大学や道教育大学函館校の学生の協力を得て、対面およびリモート式で生徒への技術指導や顧問教員をサポートする。

　現時点ではバスケットボールを福島町、野球を知内町、陸上を松前町または木古内町で行うことを予定しており、移動手段には第三セクターが運行する町有バスを活用。部活動を持続させるため、クラウドファンディングやふるさと納税を活用した新たな財源の確保を模索する。

　知内町公民館で行われた締結式には、宮島武司松前町教育長、小野寺則之福島町教育長、堂下則昭知内町教育長、藤澤義博木古内町教育長、ＢＵＫＡＲＵの森田敦代表が出席し、協定書を交わした。

　４町教委は、ことし４月から少子化による課題を踏まえ、部活動の地域移行に向けた協議を進めてきた。

　宮島教育長は「地域と部活動の未来に向け、新たな一歩を踏み出すことをうれしく思う。互いの意見を尊重しながら、検証を進めたい」と強調。小野寺教育長は「今以上に、より良いスポーツ環境を４町の子どもたちのために提供していきたい。次年度以降も引き続き取組を継続したい」と意欲を示した。

　堂下教育長は「一歩踏み出せたのはとても意義があること。合同チームとして出場している中で、移動手段の課題や教職員の働き方改革推進などスムーズな地域移行が実現できることを願っている」と期待。藤澤教育長は「子どもたちの未来に向け、何をしなければならないかを地域や学校と共に考え、検討する機会を与えていただけたのは意義あること。新たなスタートの一歩を切りたい」と力を込めた。

　ＢＵＫＡＲＵでは、学校と指導員を仲介するアプリ開発に取り組み、当別町や札幌市内の学校で実証実験を実施した経験がある。４町の実証事業においてはＩＣＴを活用し、生徒と指導員が大会や練習スケジュールなどの連絡体制を図る環境の構築を目指す。森田代表は「スポーツや文化が続けられるチャンスをつくり、４町のモデルを日本全体に広げられる事業としていきたい」と話した。

　実証期間は１１月１日から来年２月２２日まで。１１月中旬ごろにも、バスケットボール部の合同部活動を開始する予定。

(市町村 2023-10-26付)