札幌稲雲高　４０周年記念講演会　夢実現へ自立型人間に　原田教育研究所社長招き

（学校 2023-11-10付）

稲雲高開校４０周年記念講演会

　札幌稲雲高校（坂本浩哉校長）は１０月３０日、開校４０周年記念講演会を行った。放送局が制作した「学校の歩み」を振り返る動画を上映し、㈱原田教育研究所の原田隆史社長が「夢を実現する方法～自立した人になるために」と題して講演。目標設定シートを参考に、当事者意識の重要性を説き、生徒たちに継続の習慣を身に付けるよう伝えた。

　はじめに、放送局が制作した「学校の歩み」を振り返る動画を上映。開校当時の様子、制服や校訓制定など４０年間の軌跡を映像で振り返った。

　続いて、原田社長による講演。

　原田社長は４１年間、大阪市公立中学校教諭や２７の国と地域での企業教育などに従事。メジャーリーガーの大谷翔平選手が高校生時に取り組んでいた「目標設定シート」の考案者として注目を浴びている。

　約６０分間の講演に当たっては、アクティブ・ラーニングを意識し「お隣とミーティングどうぞ」のかけ声で話し合いをする時間を設けた。また、講演を聞く心構えとして①気付きをメモすること②笑顔・拍手・話し合いなど積極的に参加すること③実際の活動現場をイメージしながら学ぶこと―の３点を意識して講演を聞くように呼びかけた。

　冒頭、大阪市西成区内で中学校保健体育の教員として勤務した経験を話した。陸上部顧問として「競技で結果を出せば、高校も大学も就職も道が開く。本気で目指そう」と意識改革し、日本一に１３回導いた。

　夢を実現できるのは「自立型人間」と説明し、顕著な特徴８項目を紹介。全てに共通しているのは「自己決定力・当事者意識・対話。意識が変われば行動が変わる。まずはメンタルを整えよう」と話した。

　心づくりには、成長の３原則「時を守る・場を清める・礼を正す」を順守すること、清掃活動・奉仕活動に積極的であることを訴えた。

　当事者意識や目標意識を醸成するには、日誌に夢を描く重要性を強調。「大谷選手も習慣にしている。達成目標が明確になれば具体的に行動できる」とし、小さな目標が達成されるたびに「自己効力感や自己肯定感が上がって自信につながる」と伝えた。

　原田社長は「自信満々に高校生活を送れていますか？あなたは能力が高いと思いますか？あなたは幸せになる価値ある人間ですか？」と投げかけ「お隣とミーティングどうぞ」で生徒たちに話し合いを促した。

　原田社長が実際に指導した生徒の目標設定シートを参考に、最適な記入方法を説明。詳細に目標設定することや達成期日を明記するよう呼びかけた。

　質疑応答では「行動に移すのが遅くなる」という声に「自分ならではのルーティン行動をつくってみて」と応じた。受験や部活動に向けて「目標達成後も見据えて。頑張れ！」と鼓舞した。

(学校 2023-11-10付)