北海道の新たな未来は 半導体人材育成へ出前講座 北見工高 北大・村山副理事招き
(学校 2023-11-14付)

北見工業高道主催の半導体人材育成講座
北見工業高道主催の半導体人材育成講座

 【網走発】北見工業高校(小山彰博校長)で8日、道が主催する半導体人材の育成を目的とする高校生向け出前講座が開かれた。同校電気科の1、3年生が参加。北海道大学副理事の村山明宏教授が来校し、半導体の急速な進化が可能にする数多くの分野における新たな未来などについて伝えた。

 道では、ラピダス社のプロジェクトや半導体産業の将来の展望などについて理解を深めてもらうことを目的に、道民向けセミナーと出前講座を北見市と旭川市で実施している。出前講座は北見工業高と旭川工業高校が対象で、8日に北見工業高で行われた講座には、同校電気科の1、3年生が参加した。

 講師には、半導体拠点形成推進本部副本部長を務める北大副理事の村山教授が招かれ、講演を行った。

 はじめに、半導体の進化の歴史について解説。半導体の最も重要な部品である“トランジスタ”が時代を経るとともに「限りなく小さく、限りなく多くなってきている」とし、現在では数㍉から数㌢角のチップの表面に、nm(ナノメートル)単位の大きさのトランジスタが数百億個も並ぶほど、急速なスピードで集積度が増し、半導体の性能が向上してきていることを示した。

 また、千歳市内で次世代半導体製造拠点施設の建設に向けた動きが本格化しているラピダス社や、半導体の技術の進歩が切り開いていく未来などについても紹介した。

 身近なところでは「毎日しなければいけないスマートフォンの充電が3年に1回で済むようになる」ことのほか、宇宙産業や気象・自然災害の予測、高度自動運転、薬・ワクチンの開発など様々な分野においても半導体の技術を活用した飛躍的な進歩が期待されていることなどを伝えた。

 最後に村山教授は「最先端の半導体製造は難しいが、北海道の大きな産業になり得る。地域の問題についても半導体の力で解決できることがないかを一緒に考えてほしい」と生徒たちに呼びかけた。

 終了後、生徒代表は「スマホや自動車に使われている半導体の大切さをあらためて学ぶことができた。今後、先端半導体の製造が北海道でできるようになるということなのでとても楽しみにしている」と謝辞を伝えた。

 17日には、旭川工業高で講座の開催を予定している。

(学校 2023-11-14付)

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