T―base 南茅部高へ金融教育 人生設計考え資産形成 代ゼミ・畠山氏講師に迎え(学校 2023-11-17付)
T-baseが南茅部高校へ遠隔授業
道高校教育遠隔授業配信センター(T―base)は9日、代々木ゼミナール公民科の畠山創氏を外部講師とする金融教育の遠隔授業を実施した。「生徒とともに学ぶ金融・投資教育~ICTを活用して」と題して投資の基礎や資産運用について講義。南茅部高校(伊勢一哉校長)3年生8人が参加し、ライフプランを見通した資産形成や投資のリスクについて理解を深めた。
T―baseは、各分野の専門的な知識を有する外部講師の協力を得て、生徒たちの金融に係る学びを深め、自立的な投資ができるようになるための基礎を学ぶ遠隔授業に取り組んでいる
この日は、畠山氏が授業を担当。T―baseの佐藤豊記教諭・次長や大久保博史教諭、道財務局の村木健一郎財務広報相談室室長らが参観した。
アイスブレイクのあと、畠山氏ははじめに「お金とは何か」と問いかけた。「生きていくために必要なもの」「交渉の道具」「ものを買う手段」という生徒の意見を取りまとめ、貨幣・通貨が持つ4つの役割のうち“交換手段”としての機能を解説。残りの役割(価値尺度、価値保蔵、権力の支配)は、次回までの課題として調べてくるよう指示した。
つぎに「合法的にお金を手にするためにはどのような方法があるだろう?」と発問。労働・譲渡に続いて“投資”について深掘りした。
生徒たちに実感を湧かせるために、東京証券取引所の株式市場を題材にリアルタイムで取引されている様子をスクリーンで見せた上で、需要と供給の関係性を補足しながら「お金がお金を育てる仕組み」を説明した。
投資の種類については、まず貯蓄を取り上げた。金利計算シミュレーターを用いて10年後の金額を試算し「昔と比べて現在の金利では増えにくい」と示した。
そこで畠山氏は、自身が学生時代から金を買いためている経験談をもとに、ローリスクローリターンである積立投資の重要性を強調。「分散投資・長期間・複数銘柄の購入」を重点に挙げながら「人間関係も勉強も一緒。幅広さが大切」と訴えた。
一方で「どの金融商品を購入するかは十分に勉強して選ばなければならない」と伝えた上で「ギャンブル依存症になったり借金に手を伸ばしたりする危険性もある」と警鐘を鳴らした。
まとめでは、今回学んだことをプレゼンできるよう準備するよう指示し「投資の仕方によっては損する可能性もあるため、正しい知識を蓄えてリスク管理ができるようになってほしい」と締めくくった。
今回の遠隔授業は、畠山氏がGIGAスクール構想の実現に向けて全国の教育委員会・学校への支援活動を行っている「GIGAStuDx推進チーム」のメンバーであることを縁を発端として企画・実施された。
授業を経て「教科等横断的な学びやアナログとデジタルを融合した学びを提供できる」という成果を確かめた。一方で、電波環境の整備、配信で生じるラグ、使用するソフトが統一されていない現状、ICTに不慣れな児童生徒、教職員への対応など様々な課題を実感したという。
今後、一層ICTを活用した授業が普及していくため、システム面の改良に踏み込む必要性に触れ「特に、教師側の画面で児童生徒がそれぞれ画面で何を見ているか、一斉に管理できる仕組みができれば」と展望を述べている。
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(学校 2023-11-17付)
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