道 子どもの生活実態調査報告書 ひとり親家庭 貧困高リスク コロナ禍の悪影響浮き彫りに(道・道教委 2023-11-13付)
子どもの貧困対策を効果的に推進するため、世帯の経済状況と子どもの生活環境や子ども・子育ての状況、学校・家庭での過ごし方などの関係を具体的に把握することが目的。道と北海道大学大学院子ども発達臨床センターと共同で6年ぶりに実施した。
乳幼児調査と小学生~高校生調査の2つに分類。乳幼児調査は1歳児半~2歳児、5歳児の保護者、小学生~高校生調査は小学2年生、5年生、中学2年生、高校2年生の保護者と子どもを対象とし、ひとり親世帯と、ふたり親世帯、相対的貧困線を基準に低所得層I、低所得層Ⅱ、中間所得層I、中間所得層Ⅱ、上位所得層に区分した。
うち、小学生~高校生調査の結果をみると、回答者のうち、中間所得層Ⅱ25・4%、低所得層I16・5%、低所得層Ⅱ17・6%の順に高かった。
世帯類型別では、ふたり親世帯が82・6%、ひとり親世帯が15・3%。ひとり親世帯の52・4%が低所得層Iとなり、ひとり親世帯の貧困リスクの高さが浮き彫りとなった。
経済的な理由によって、光熱水費の支払いができなかった経験について、ひとり親世帯では「あった」と回答した割合が15・1%と、ふたり親世帯に比べ9・4ポイント高い。
進学に対する希望について世帯全体で33・4%が「四年制大学またはそれ以上」、17・8%が「高校」と回答した。ひとり親世帯では24・3%とふたり親世帯の35・8%と比べて低い結果となった。所得別階層については、階層が低くなるほど「高校」と回答した割合が高い傾向が見られた。
子どもの回答結果をみると、平日の放課後一人でいることが「よくある」「ときどきある」と回答した割合は世帯全体で、38・5%。
また、ひとり親世帯の子どもは、ふたり親世帯の子どもに比べ「一人でいることがよくある」と回答した割合が10ポイント以上高いことが分かった。
子育てに関する制度やサービスの利用状況について、子ども食堂は世帯全体で「利用する必要がなかった」が約7割を占める。ひとり親世帯で18・5%、低所得層I・Ⅱでそれぞれ18・4%、13・6%が「制度やサービスがなかった」と回答した。
無料の学習支援について、世帯全体では「利用する必要がなかった」が約6割を占め、ひとり親世帯や低所得層で制度やサービスについて「全く知らなかった」「なかった」と回答した割合が全世帯と比べ高い傾向が見られた。
新型コロナウイルス感染症による家計への影響をみると「世帯収入が減った」「世帯の支出が増えた」「世帯の貯蓄が減った」の3項目で全回答の約半数を占める。これら3つの項目の回答について、ひとり親世帯や所得階層が低くなるほど高い割合となった。
子どもの影響については、全世帯で「子どもへの影響があった」と回答している割合は6割を占める。特にひとり親世帯では「学習に支障が出た」「生活リズムに支障が出た」と回答した割合が高い傾向が見られた。
(道・道教委 2023-11-13付)
その他の記事( 道・道教委)
道教委 地域連携研修実施地域 61地域 主体校65校に 16校増 学力向上など推進
道教委は、地域連携研修における本年度実施地域として61地域を決定した。主体校は前年度比16校増の65校。学力向上や小中一貫教育、ICTを活用した授業改善などの校内研究課題のもと、調査研究・...(2023-11-15) 全て読む
道教委 道立学校ガバメントCF 参加3校 取組開始 地域ガイドマップ作成など
道教委が本年度から開始した道立学校ガバメントクラウドファンディング事業。参加校3校は、10月2日から1ヵ月間、事業を推進するための寄付金を募った。札幌啓成高校では、17万3000円が集まり...(2023-11-14) 全て読む
道教委 ICT活用へ管理職研修 心理的安全性 考える マネジメント力向上へ研鑚
道教委は10月31日、グーグルワークスペースフォーエデュケーション管理職向け研修会をオンラインで開催した。グーグル社のグーグル市場開発部・顧客戦略部の上原玲部長が講師となり、「心理的安全性...(2023-11-13) 全て読む
絆づくりメッセージ最優秀賞 楽しくていきたい学校 標語、ポスター、写真18作品
道いじめ問題対策連絡協議会は5年度絆づくりメッセージコンクールの入賞作品を決定した。ことば・メッセージ部門では中札内村立上札内小学校の堀井結楓さんの「楽しくて いきたい学校 つくろうよ」な...(2023-11-13) 全て読む
道研 科学的探究実践力向上研修 過程大切にした授業を 中学校理科教員が実習
道立教育研究所は8日から2日間、札幌啓成高校で科学的に探究するために必要な資質・能力を育む実践力向上研修を開催した。中学校理科教員16人が参加。化学、生物、物理、地学分野の実習を体験し、探...(2023-11-13) 全て読む
オホーツク局 働き方改革中間報告会 課題や効果的取組共有 網走小、北見支援が実践発表
【網走発】オホーツク教育局は9日、働き方改革推進事業中間報告会をオンライン開催した。推進校の網走市立網走小学校、北見支援学校が自校の取組について実践発表。働きやすい職場環境の整備に向け、現...(2023-11-13) 全て読む
部活動地域移行へ道教委など3者 実証研究 旧留萌高で開始 地元野球指導者が中学生に
【留萌発】道教委は留萌市教委、地元野球チームの「留萌HEROs少年野球協会」の3者で締結した部活動の地域移行の実証研究について、4日に旧留萌高校で1回目となる練習を行った。留萌市立留萌中学...(2023-11-13) 全て読む
オール檜山学び合いプロジェクト 子ども本人と向き合う 学びの場変更 将来見通して
【函館発】檜山教育局は2日、オール檜山学び合いプロジェクトをオンライン開催した。せたな町立北檜山小学校の田中淳子教諭が講師を務め、特別支援学級から通常学級へ移籍する「学び場の変更」について...(2023-11-13) 全て読む
十勝局 働き方改革推進会議 業務の優先順位立てて 芽室高、帯広西陵中が報告
【帯広発】十勝教育局は6日、第1回管内学校における働き方改革推進会議をオンラインで開催した。市町村教委の教育長、各校種の管理職ら約30人が参加。働き方改革推進事業の推進校等に指定を受けてい...(2023-11-10) 全て読む
道アクションプラン第3期 新計画策定へ検討開始 道教委 校務効率化など5本柱
道教委は8日、道庁別館で第2回学校における働き方改革促進会議を開き、来年度からスタートする北海道アクション・プラン(第3期)素案のたたき台を示した。「校務の効率化と役割分担の推進」など5つ...(2023-11-10) 全て読む