釧路校長会 第64回研究協 学校改善の実践共有 組織づくりや働き方改革で提言(関係団体 2023-11-15付)
【釧路発】釧路校長会(齋藤超会長)は2日、釧路市生涯学習センターで第64回研究協議会を開いた。管内の小・中学校、義務教育学校の校長44人が参加。提言発表に基づく研究協議や個人レポートでの発表などを通して、学校経営に関わる組織マネジメントや教師の資質・能力の向上などについて話し合った。
研究主題は「ふるさと釧路でともに学び、豊かな社会を創る児童生徒の育成を目指す学校教育の推進」。3ヵ年計画の1年目で「組織マネジメント」と「人材育成」を視点に研究を進めている。
開会式で、齋藤会長があいさつ。本年度は3年次計画の1年目であることから、提言発表をもとにした活発な意見交流を求めるとともに、校長会として「令和の日本型学校教育」の実現に向けた組織的な取組の必要性を訴えた。
来賓として釧路教育局の泉野将司局長と釧路管内町村教育委員会連絡協議会副会長の村上明寛鶴居村教委教育長が祝辞を述べ、研究の成果に期待を寄せた。
はじめに釧路町立昆布森小学校の太田諭校長が9月8日に行われた道小学校長会教育研究渡島・北斗大会で提言した「いじめ・不登校に関する重層的支援の推進と校長の役割」を発表。大会で得た成果と課題について共有した。
引き続き、白糠町立茶路小中学校の山野哲也校長と釧路町立昆布森中学校の浦邊弘之校長が提言。学校運営に関わる組織運営の改善や人材育成などについて、校長会としての取組やその成果と課題等を発表した。
山野校長は「学校経営ビジョンの実現に向けた、組織マネジメントによる活力ある組織づくり~チーム学校として機能する、多様な人材を生かした組織づくりと働き方改革の推進」と題して提言。白糠町校長会としての取組について説明した。
組織マネジメントにおける校長の在り方として、校長の基本的な役割を確認した上で「学校経営方針の提示」「組織づくり」「学校外とのコミュニケーション」についての取組とその成果や課題を明らかにした。
ミドルリーダーの意識変革に向け、グランドデザイン策定後に企画調整委員会やブロック長会議を毎月開催。経営の重点戦略をミドルリーダー間で協議することで、教職員の経営参画意識を高めた。
また、一部の教員に過度な負担がかからないようにするため、働き方改革や人材育成に向けた組織再編、学校行事の実施に向けた分掌再編と業務分散など、活力ある組織づくりへの取組を紹介した。
まとめとして、組織マネジメントにおける「合意形成」は校長の指導力の一つであるとし、その土台となる資質・能力が、アセスメント能力とファシリテーション能力であることを強調。これらを生かし、何をすればどんな結果が得られるのかを事前に考え、組織マネジメントを推進することが重要であると訴えた。
つぎに、浦邊校長は「学校における働き方改革を推進し“新たな教師の学びの姿”の実現を図る校長の指導力」と題し、多様な人材育成について、釧路町内各校の取組などを中心に成果と課題について提言した。各校における働き方改革の推進や新たな教師の学びの姿の実現などに向けた取組を紹介。
先を見通した働き方について、個別・対話を通した意識付けによって、業務の負担減を実現。校長の明確なビジョンによって、安心して協働的に働くことができたとした。新たな教師の学びの姿の実現は、授業観察を通し、ポイントを絞った指導を行うことで、教師の授業改革が進んでいることを成果として挙げた。
一方、課題としては教育課程の見直しや行事の目的など、教職員を巻き込みながら継続検討する必要性を指摘。また、授業改革については、教師の意識改革が重要であるとともに、教師の資質・能力の差が大きいため、校内研修やメンター研修などの在り方のさらなる工夫が求められるとした。
学校における働き方改革や、新たな教師の学びの姿の実現には、校長のリーダーシップが重要とした上で3つのポイントを提示(①心理的安全性を図る②明確なビジョンを示す③課題や解決策を共有)。町校長会として各校との連携を深め、協力しながら推進していくとした。
このあと、各分科会に分かれ、提言発表や個人レポートに基づく協議を実施。豊かな社会をつくる児童生徒の育成に向けた学校教育の推進について、活発な意見交流が行われた。
(関係団体 2023-11-15付)
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