冬季オリパラ競技団体連絡会議　子ども対象に裾野拡大　札幌市　アスリート発掘等

（札幌市 2023-11-16付）

　札幌市は１日、ＯＲＥ札幌ビルで冬季オリンピック・パラリンピック競技団体連絡会議を開催した。各競技団体の役員らが出席し、今後の招致活動について情報共有。引き続き、子どもたちを対象とした裾野拡大の取組や、アスリートの発掘・育成などに努めていくことなどを確認した。

　オリンピック・パラリンピックに関わっては、１０月、住民理解が十分に得られていないなどとして市が２０３０冬季大会の招致を断念すると発表。２０３４年以降の開催の可能性を探る方針に転換した。

　これを受け、今後の招致活動について共有することを目的に連絡会議を開催。スキー、スケート、アイスホッケーなどの各競技団体、スポーツ協会の役員ら１４人が出席した。

　はじめに、市スポーツ局の担当者が招致活動に係るこれまでの経緯や今後の進め方などについて説明。これまでの招致活動について検証しつつ、２８日から開かれる国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）理事会の決定事項に応じて、今後の対応について市議会や地元関係者と協議していくことを示した。

　また、世界屈指の「ウインタースポーツシティー」の実現を目指し、引き続き各種取組を進めていくことを説明。

　裾野拡大に向けて子どもたちへの体験機会の提供や料金助成に取り組むほか、ジュニアアスリートの発掘・育成などに努めていくとした。ウインタースポーツの充実に向けた環境整備として、美香保体育館や月寒体育館の更新、大倉山ジャンプ競技場の改修などを進めていく計画も示した。

　札幌医科大学の片寄正樹理事・保健医療学部長は、自身が運営委員長を務める道スポーツ医・科学コンソーシアムの取組を紹介した。

　スポーツ庁の採択を受けたこの事業は、冬季競技の部活動アスリートなどに焦点を当て、ポテンシャルを中長期的に発揮できるスポーツ医・科学サポート体制の構築を目指すもの。本年度は、道ジュニアアスリート強化育成事業などと連携したモデル事業を展開し、スポーツ医・科学リソースのデータベース構築などを進めていくとした。

　意見交換に移り、各競技団体が若手選手の発掘、育成、強化の取組を紹介したほか「オリパラ招致の有無にかかわらず、老朽化した施設の整備は進めてほしい」「障がい者スポーツの充実に向けた体制整備に期待している」などの声が上がった。

(札幌市 2023-11-16付)