十勝管内　４年度児童生徒問題行動　いじめ、不登校増加　アンケートで発見　高い傾向　文科省調査

（国 2023-11-28付）

　【帯広発】文部科学省が実施した４年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査において、十勝管内ではいじめの認知件数、不登校児童生徒数が３年度より増加したことが分かった。いじめ発見のきっかけはアンケート調査等によるものが道全体の割合より高く、今後は援助希求行動の育成が重要視される。不登校の主たる要因は「無気力・不安」が半数以上を占め、早期のアセスメント等によって根本的な原因を究明することが求められている。

　調査は、生徒指導上の諸課題の現状を把握し、今後の施策の推進に資するもの。

　管内小・中学校におけるいじめの認知件数は、小学校３５４６件、中学校２８１件。３年度と比較し、小学校は１９０９件、中学校は１０７件の大幅増となった。

　いじめ発見のきっかけに関しては「アンケート調査など学校の取組により発見」された割合が、小学校８９・５％、中学校９２・４％で、いずれも道全体の割合より１０ポイント以上高い。一方で「本人からの訴え」は道全体でみると小中共に低い傾向にある。

　過去５年間における発生件数の推移をみると、道全体の結果は横ばいで、十勝管内は３年度から急激に件数が増加しており、十勝教育局は「学校による積極的な認知が進んでいる」と分析。いじめ発見のきっかけにおいては「アンケート調査等によるいじめの認知に向けた学校の取組が進む中、合わせて児童生徒の援助希求行動の育成が求められる」としている。

　不登校児童生徒数は、小学校２５７人、中学校５２３人。３年度と比べて小学校が６５人増、中学校が７１人増で、年々増加している。不登校の主たる要因は、小中共に「無気力、不安」が半数以上を占めた。

　学校内外の機関等で指導を受けた児童生徒の状況は、不登校児童生徒数に対する比率として、小学校は８９・１％、中学校は８５・１％と、道全体の割合より１０ポイントほど高い。

　十勝局は「児童生徒が無気力・不安に至る根本的なきっかけや原因に着目し、新たな不登校児童生徒を生まないアプローチが必要」と言及。生徒指導提要の中でも課題早期発見対応に重点を置き、長期休業前後等における早期の適切なアセスメントを重要視している。

(国 2023-11-28付)