石狩局　第１回学力保障会議　「伸びしろ層」ゼロ前進　授業改革０５５！の成果報告

（道・道教委 2023-11-29付）

第１回管内学力保障会議

　石狩教育局は２１日、道庁別館で第１回管内学力保障会議を開催した。管内の関係者ら約２０人が参加。前年度から取り組んでいる授業改革０５５！の成果として、管内の小・中学校の約１０％が平均正答率３０％未満の「伸びしろ層」をゼロにしたことを報告。成果を踏まえた協議を通して、今後の取組の強化を図った。

　管内の学力保障に向けた取組を検証し、管内教育のより一層の充実を図る具体方策について共通理解を図ることを目的としている。

　はじめに田中賢一局長があいさつ。全国学力・学習状況調査の結果が全国平均と比べて下回っていることに触れ「十分でない学力ではあるかもしれないが、それよりも児童生徒一人ひとりの状況を把握することが大切。持続可能社会の形成者の育成に向けて、積極的な意見交換を」と呼びかけた。

　続いて、関口祐太郎義務教育指導班主査が管内の学力保障状況と、授業改革の状況について説明した。児童生徒質問紙と平均正答率のクロス分析の結果を紹介。対話のある授業について「学級の友達と話し合う活動を通して自分の考えを深めたり広げたりすることができているか」という質問に肯定的に回答した児童生徒の平均正答率が高い状況が見られた。関口班主査は「どの教科においても、対話を通して考えを深めたり広げたりすることが平均正答率向上につながるのでは」と話した。

　また、全国学力・学習状況調査の結果から、管内の伸びしろ層の割合が中学校数学を除いて全国値よりも少なくなったことを紹介。中学校数学については前年度と比べて差が縮まった。

　さらに、管内の小・中学校の約１０％が伸びしろ層をゼロにしたことを報告した。管内の小学校６３校のうち国語で８校、算数で７校、中学校３８校のうち国語で８校、数学で４校が伸びしろ層をゼロにし、中間層と定着層の割合を高めた。

　協議は「授業改革を全ての教室に行き渡らせるために」をテーマに実施。学識経験者として参加した道教育大学旭川校の山中謙司准教授は「授業や対話に参加しきれない子どもに焦点を当てるだけではなく、定着層が活用・応用問題に対応する力も伸ばしていくべき」と述べ、個別最適・協働的な学びの推進を求めた。

(道・道教委 2023-11-29付)