オール檜山学び合いプロジェクト　関係継続が子の成長に　不登校児理解への関わり方

（道・道教委 2023-11-30付）

　【函館発】檜山教育局と檜山教育研究所は１６日、第４回「オール檜山学び合いプロジェクト」をオンラインで実施した。せたな町教委のスクールアドバイザー笹原昌子氏が講師を務め、町内における事例をもとに、不登校児童生徒の理解に向けた関わり方を説明。児童生徒が自己決定できる寄り添った支援をチーム学校と関係機関が連携し、努めていく必要性を説いた。

　笹原氏は不登校生徒の増加要因について、保護者の意識変化やコロナ禍における登校意欲の減退などの背景を示した上で、個に応じた適切な支援の必要性を強調。「子どもの声を丁寧に聞く」「登校刺激を控える」「発達刺激を控える」などの対応を心がけ、チーム学校として支援に当たることが重要とした。

　家庭環境やからかいなどの様々なきっかけによって不登校となった児童生徒の事例を紹介。ある生徒の登校サポートでは「心を許せる友人とのつながりを深めることで心のエネルギーをため、学習意欲の向上が見られた」とし、つながりの継続が子どもの成長の後押しとなることを伝えた。

　町内に設置する教育支援センター陽だまりの取組については町教委の古畑英規事務局長が説明した。３年度には、当時、檜山教育局次長だった新居雅人後志教育局長による親や人とのつながりを考える道徳の授業を行ったこと、ギターに興味がある生徒の体験機会やそば打ち体験など地域の様々な人との関わりを設けたことを紹介。通所していた生徒が現在、高校へ進学している様子を伝え「きっかけづくりに参加したことで自分も豊かになれた」と振り返った。

　講座には管内小・中学校の教職員約５０人が参加し、事前に寄せられた質問について笹原氏が回答。保護者の信頼を得るには「子育てについて聞き取るなど話をよく聞くことが大切。児童生徒が自己決定をできる支援に向けて、子どものプロセスに寄り添う必要がある。不登校児童生徒が悩みを抱える最大の要因を考えることで子どもが安心できる環境につながれば」と話した。

(道・道教委 2023-11-30付)