北数教小学校部会札幌支部が研究大会　問いから世界広げる授業　宮の森小４年　図表もとに考察

（札幌市 2023-12-08付）

　道算数数学教育会（北数教）小学校部会札幌支部（太田智子支部長）は１日、市内の小学校６校を会場に５年度研究大会を開催した。宮の森小学校で行われた４年生部会の授業公開では、伴って変わる２つの数量について、表や図を結び付けながら変化の特徴を探る活動を展開した。

　同支部は、研究の重点を「数学的に問う力を発揮し、算数の世界を広げる授業の創造」と設定。授業づくりの視点に①数学的に問うことから生まれる問い②算数の世界を広げるつながり―の２点を据え研究を進めている。

　研究大会では、桑園小学校、資生館小学校、二条小学校、宮の森小、北九条小学校、新川小学校の６校で授業を公開。

　うち宮の森小では、板橋祐希教諭が４年１組「変わり方」（児童数３５人）を指導。伴って変わる２つの数量について表をまとめ、変化の特徴を式や図と関連付けて考えさせる授業を展開した。

　板橋教諭は導入で、棒を階段のような形に並べた図をテレビに映し出した。端末を操作して図を変化させ、段数と棒の本数が伴って変化することに気付かせた。

　「では、もっと段数を増やすと棒は何本になるだろう」と問いかけると、児童たちから「分からない」「数えるのに時間がかかる」などの声が上がった。

　そこで板橋教諭は、棒を並べて正三角形を作った既習事項を振り返り、一辺の長さと棒の本数の変化に「規則性」があったことを想起させた。「前と同じように表を作ったら決まりが見つかるかな」といった意識を引き出し、課題につなげた。

　つぎに、実際に棒を使って図を作り規則性を探る活動へ。児童たちは、段数を増やすごとに棒の本数を数え、表にまとめていった。

　全体交流に移り、表から規則性を見いだした児童の意見などを踏まえ「１段増えるごとに棒が４本ずつ増える（横の見方）」「段数に４をかけると棒の本数になる（縦の見方）」の２つの考え方ができることを確認した。

　板橋教諭は、２つの考え方に共通する「４」という数字に着目し「何で４なんだろう」と発問。あらためて図に立ち返り、表と対応させて考える姿を引き出した。

　児童たちは再度図を作って試行錯誤し「棒を動かして１つの正方形を作ると、一辺の棒の数が段数と同じ。正方形は４辺あるので段数×４になる」「一辺の棒の数が１本の小さい正方形を作ると、段数と同じ数だけできる」などの考えをまとめた。

(札幌市 2023-12-08付)