教育大ＳＴＥＡＭｅｒｓラボ　子に学びの居場所提供　電気回路作りなど楽しむ

（札幌市 2023-12-12付）

　札幌市中央図書館で、道教育大学未来の学び協創研究センターなどが実施する「教育大ＳＴＥＡＭｅｒｓラボ」が開かれている。子どもにとって学校や家庭以外の居場所となる「学びのサードプレイス」づくりに向けた実証実験として行っているもので、佐藤正範主任研究員らが開発したＳＴＥＡＭ教育プログラムなどを展開。多くの子どもたちが訪れ、電気回路作りなど様々なプログラムを楽しんでいる。

　道教育大未来の学び協創研究センター、大日本印刷（株）、丸善雄松堂（株）の３者は、１０月から「学びのサードプレイス」の社会実装に向けた共同研究を開始。

　誰もが利用できる社会教育施設である公共図書館に注目し、札幌市中央図書館、澄川図書館の協力を得て体験的な学びの場「教育大ＳＴＥＡＭｅｒｓラボ」を展開する実証実験を行っている。

　未来の学び協創研究センターからは佐藤主任研究員、佐藤正直准教授、三浦啓子准教授の３人が参加し、それぞれの専門分野をもとにＳＴＥＡＭ教育プログラムを開発。

　Ｓ（サイエンス）で「電気回路を作ろう」「プログラムで電気を制御しよう」、Ｔ（テクノロジー）で「レーザーカッターで作ろう」「３Ｄプリンターで作ろう」、Ａ（アート）でコンピューターで欲しい形を作ろう」「影を動かしてみよう」など多彩なプログラムを用意した。

　Ｓの「プログラムで電気を制御しよう」で学んだプログラミングをＡの「影を動かしてみよう」で活用できるようにするなど各分野の活動を関連付け、教科等横断的な学びができるよう工夫した。

　さらに、公共図書館で実施する利点を生かし、プログラムの中に本やインターネットなどを使って調べる活動を位置付けた。図書館の協力を得て関連図書をまとめたコーナーを設置している。

　１１月３０日、「電気をつくろう」「電気回路を作ろう」のプログラムには３人の小学生が参加。研究に協力するメンターが子どもたちの対応に当たった。子どもたちは「どうつないだら電気がつくんだろう」などと試行錯誤し、楽しみながら活動に取り組んだ。

　今後、子どもたちの変容などを見取り、成果や課題を検証していく考え。佐藤主任研究員は「産学官連携研究の先行事例として、全国に発信できれば」と期待する。

　ＳＴＥＡＭｅｒｓラボは、２４日まで毎週木～日曜日と祝日に開設している。

(札幌市 2023-12-12付)