札幌市教委　次期教育振興基本計画案　価値創造し学び続ける人　ＣＳや不登校児学び場整備等

（札幌市 2023-12-13付）

　札幌市教委は、６年度から始まる仮称・第２期教育振興基本計画案をまとめた。市の教育が目指す人間像には、現行計画に引き続き「自立した札幌人」を掲げ、解釈を「未来に向かって新たな価値を創造し、主体的に学び続ける人」など３点に捉え直した。前期５年間のアクションプランでは、重点に「共生社会を担う力の育成」など３点を設定し、コミュニティ・スクール推進事業、不登校児童生徒のための新たな学びの場整備事業など各種施策を推進していく。１５日の教育委員会会議で承認を得たあと、パブリックコメントとキッズコメントを募集し、本年度中に策定する見通し。

　１１日に開かれた市議会文教委員会で報告したもの。

　現行計画が本年度で終了することに伴い、市教委は、４年度から検討会議を設置して有識者らから意見を募ったほか、ことし８月には子ども教育委員会会議を開催し、子どもの意見を反映させた計画の策定に努めてきた。

　計画案は、今後１０年間を見据えた基本理念等を示す「教育ビジョン」、前期５年間で取り組む教育施策を示す「アクションプラン」で構成している。

　教育ビジョンでは、現行計画に引き続き市の教育が目指す人間像を「自立した札幌人」と掲げた。時代の変化に伴いその解釈を捉え直し、新たに「未来に向かって新たな価値を創造し、主体的に学び続ける人」「自他のよさや可能性を認め合い、しなやかに自分らしさを発揮する人」「ふるさと札幌に誇りをもち、持続可能な社会の発展に向けて行動する人」の３点を示した。

　実現に向けた基本的方向性として「一人一人が自他のよさや可能性を認め合える学びの推進」「学校・家庭・地域総ぐるみで育み、生涯にわたり学び続ける機会の拡充」「社会の変化に対応した教育環境の充実」の３点を設定し、各種施策を推進していく。

　アクションプランでは、第１期計画の振り返りで明らかになった課題「自己肯定感の低さ」「困り感を抱えた子どもの増加」「体力・運動能力の低下」に対応するため、重点を①共生社会を担う力の育成②誰一人取り残されない教育の推進③生涯にわたる健やかな体の育成―の３点に設定した。

　具体的に推進していく主な事業として、①ではコミュニティ・スクール推進事業、②では不登校児童生徒のための新たな学びの場整備事業、③では学校部活動における外部人材の活用の推進などを提示した。

　計画の進行管理として、３つの基本的方向性に基づき成果指標２５項目を設定。「自分にはよいところがあると考えている子どもの割合」を１０年度までに９０％に引き上げることなどを掲げた。

(札幌市 2023-12-13付)