4年度高校等の就業体験 コロナ禍明け回復傾向 実施時期調整に課題 道教委(道・道教委 2023-12-18付)
道教委は4年度における全日制高校・中等教育学校のインターンシップ実施状況をまとめた。実施校数は179校で、実施率は前年度と比べて17・3ポイント増加するなど回復傾向がみられた。コロナ禍でのインターンシップに対する学校と事業所側の共通理解が進んだことが主な要因とみられる。また、体験した生徒に関して「進路意識を明確にすることができた」などの成果が上がった一方で、事業所側から受け入れ実施時期等の調整を求める声などが上がった。
国立教育政策研究所の調査に基づき、全日制の高校および中等教育学校を対象に、ことし3月末現在のインターンシップ実施状況をまとめたもの。
4年度の実施学校数は、179校で実施率は前年度比17・3ポイント増の93・7%。学科別では、普通科が17・4ポイント増の92・8%、専門学科が15・0ポイント増の90・0%、職業学科が20・9ポイント増の92・5%、総合学科が20・8ポイント増の87・5%と軒並み上昇している。
実施人数は、在籍数6万9256人に対して19・1%に当たる1万3239人。実施した生徒の割合を学年別にみると、1年生が8・1ポイント増の19・5%、2年生が8・4ポイント増の34・2%、3年生が0・9ポイント増の4・1%だった。
3年間を通してインターンシップを1回以上行った生徒の割合は、2・6ポイント増の34・1%。普通科、専門学科が減少し、職業学科、総合学科が増加した。
職業分類では、「専門的・技術的職業従事者」が39・6%と最も多く、次いで「サービス職業従事者」18・8%、「販売従事者」9・8%の順で多かった。
インターンシップの実施日数は「1日」が38・4%、「2日」が32・3%、「3日」が24・8%など。日数に関して「そのままでよい」が91・2%で大半を占め、「増やしたい」が7・0%、「今後減らしたい」が1・9%となった。
事前指導にかける時間は「1~5時間」が50・1%と最多で、「ゼロ時間」が31・9%、「6~10時間」が14・5%などと続く。事後指導でも「1~5時間」が57・6%と最も多く、「ゼロ時間」が24・0%、「6~10時間」が15・5%などと続いた。
事前指導の内容で最も重視した取組は「インターンシップの目的を設定・確認させる指導」が最多。事後指導では「報告書やレポートの作成などインターンシップを評価させる指導」「発表会やポスターセッションなどインターンシップの成果を共有させる指導」との回答が多く寄せられた。
生徒に関する成果では「進路意識を明確にすることができた」が70・4%、「自己の個性や適性を把握し、自己理解を深めることができた」が65・4%。
生徒に関する課題としては「自らの進路についてうまく考えられず、目的意識のないインターンシップになっている」「自己表現を苦手とする生徒が実習現場でどう振る舞うかの懸念がある」などが挙がった。
一方、事業所側からは、学校の実施時期と企業の繁忙期が重なるなど、受け入れ可能時期や受け入れ人数の調整を求める声や、感染症拡大に伴う実施の可否の判断の難しさを訴える声などが上がった。
新型コロナウイルス感染症の影響でインターンシップを中止した学校数(一部中止を含める)をみると、2年度125校、3年度104校、4年度57校と年々減少傾向にある。
道教委は「感染症対策を講じながら実施する体制が整ってきたことや、コロナ禍でのインターンシップに対する学校と事業所側の理解が進んだことで実施率の回復につながっているのではないか」と話している。
(道・道教委 2023-12-18付)
その他の記事( 道・道教委)
石狩局 チャンネル・キャリア第3回 看護師を目指すには 現役職員がやりがい等紹介
石狩教育局は6日、チャンネル・キャリア第3回をオンライン開催した。独自事業の石狩WebチャンネルPlus+に係るもので、柏葉脳神経外科病院の更谷和樹氏と宇野夢叶氏が講話。男性看護師と女性看...(2023-12-19) 全て読む
道内 対策済み94・3% 通学路の交通安全取組状況 年度末までに完了を 文科省
文部科学省が15日に発表した通学路における合同点検の取組状況(9月末時点)によると、札幌市を含む道内で交通安全上の対策が必要とされた延べ1845ヵ所のうち、94・3%で対策が完了したことが...(2023-12-19) 全て読む
どさんこプラザで高校生チャレンジ 地場産の独自商品PR 道立6高が企業と連携し開発
道教委は15日から2日間、札幌駅構内西改札口付近の北海道どさんこプラザ札幌店で「高校生チャレンジinどさんこプラザ」を開催した。道立高校6校が企業と連携して開発した商品6種を販売し、更別農...(2023-12-19) 全て読む
全道高校教育改善研 道教委所管事項〈下〉
◆特別支援教育課 ▼特別支援教育の充実について 中学校の特別支援学級に在籍する生徒の約4割が高校へ進学していることや、昨年12月に公表された文科省の「通常の学級に在籍する特別な教育的支...(2023-12-19) 全て読む
日高局 独自に若手職員向け勉強会 仕事の基礎身に付けて 講話やプレゼンで資質向上
【苫小牧発】日高教育局は今秋、全6回にわたる「若手職員向け勉強会」を独自に開催した。新採用職員ら10人を対象に、管理職や先輩職員が講話し、仕事の基本や心構えなどを伝えたほか、若手職員による...(2023-12-19) 全て読む
胆振局 働き方改革中間報告会 地域人材活用し外部化を 伊達東小など3校が実践発表
【室蘭発】胆振教育局は5日、管内働き方改革推進事業の中間報告会をオンラインで開催した。各市町の教育委員会から14人、小・中学校から約30人が参加。推進校の伊達市立東小学校など3校が実践発表...(2023-12-18) 全て読む
道立特別支援学校の冷房整備 7年度稼働 8管内25校 肢体不自由、知的障がい優先
道教委は、冷房設備の整備に着手予定の道立特別支援学校をまとめた。比較的夏季の気温が高い8管内の地域から、肢体不自由や知的障がいの学校25校を対象校に選定。これら以外の特別支援学校に関しては...(2023-12-15) 全て読む
道教委 特支教育課程改善の手引 自立活動等の留意点整理 指導実践や評価の事例も
道教委は「5年度特別支援教育 教育課程改善の手引」を作成した。個別の指導計画のPDCAサイクルをもとに、自立活動の指導ポイントなどを整理。児童生徒個々の実態把握から具体的な指導内容を設定す...(2023-12-15) 全て読む
全道高校教育改善研 道教委所管事項〈中〉 端末活用 組織的取組を 「いじめ見逃しゼロ」徹底
◆ICT教育推進課 【1人1台端末の活用】 5年10月27日付教ICT第341号「ICT活用に係る状況確認について」で当課から依頼した調査の主な結果はつぎのとおり。 ▽児童生徒同士が...(2023-12-15) 全て読む
勤務管理や端末持ち出しも 制度化へ検討本格化 道立学校の在宅勤務
道教委は13日の4定道議会文教委員会で、道立学校における在宅勤務の制度化に向け、本格的に検討を進める考えを示した。電話、メール、チャットなどを活用して勤務管理を行うほか、学校の端末の持ち出...(2023-12-14) 全て読む