札幌白楊小 東広島市2小学校と 教室を越えた学び展開 広域交流型 遠隔社会科学習(札幌市 2024-01-09付)
札幌市立白楊小学校(徳田恭一校長)は昨年12月中旬、オンラインで広島県東広島市の小学校2校と社会科授業に取り組んだ。東広島市教委と広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI)が実施する「広域交流型オンライン社会科地域学習プロジェクト」に参加したもの。5年生35人が多様な考えに触れながら、情報産業が成り立つ仕組みの一つである「広告」について学びを深めた。
東広島市教委とEVRIは、市内の小学校同士をオンラインでつなぐ「広域交流型オンライン社会科地域学習プロジェクト」を3年度から開始。地域の地理、歴史、経済、文化などを題材に、ICTを効果的に活用しながら多様な意見や考え方に触れる「教室を越えた学び」の機会を創出している。
より広い視野で地域について学んでもらおうと、本年度からは県外の小学校に対象を拡大。道内では道教育大学釧路校の玉井慎也講師が窓口となり、5月に道教育大附属釧路義務教育学校前期課程、9月に浜中町立霧多布小学校が参加した。
今回、都市部の学校との交流効果について検証するため、白楊小を参加校として初めて札幌市の学校との交流を企画した。
単元は、5年生社会「未来とつながる情報~新聞・インターネットの情報は無料だろうか!」。
白楊小5年2組(小野優斗教諭、児童数35人)、東広島市立中黒瀬小学校(3学級89人)と豊栄小学校(1学級15人)の計139人が参加し、オンライン上で共に授業に臨んだ。
授業は2時間続きで、広島大の草原和博教授がT1として進行。各学級担任がT2として板書や活動の指示を行った。
このほか、白楊小では玉井講師、中黒瀬小と豊栄小では広島大の研究員や学生がT3としてICT活用などを支援した。
1時間目は、東広島市で配布されている情報紙「プレスネット」を題材に、フリーペーパーが無料である仕組みを探る活動を展開。ゲストティーチャーとして参加した(株)プレスネットの担当者が児童の疑問などに答え、情報産業が広告料の収入によって成り立っていることに気付かせた。
2時間目は、グーグルやユーチューブといった無料のインターネットサービスに題材を替え、広告料のほか、一定の使用料を払うことで広告を表示させない仕組みについて理解を深めさせた。
最後に、広告の賛否を問う場面では、白楊小の児童たちが「除排雪の体制整備や雪による交通事故防止の重要性を訴える広告を打ち出したい」と北海道ならではの提案を発表。広告の社会的意義という新たな視点を与えるきっかけをつくった。
参加した白楊小の児童たちは「最初、広告はいらないと思っていたが、授業を通して必要だと感じた」「広島の子と交流して自分の考えが広がった」などと感想を話した。
玉井講師は「遠隔による授業実践を積み重ね、今後は道教育大全体の取組として広げていければ」と期待する。
(札幌市 2024-01-09付)
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