道教委　ほっかいどう教志ゼミ　教職への憧れ一層強く　大学生が現職教員と座談会等　北広島東部中等で

（道・道教委 2024-02-05付）

現職教員の生の声を興味深く聞き入る学生

　道教委は１月３１日、北広島市立東部中学校（佐藤直己校長）で大学生を対象に教師の魅力を啓発する「ほっかいどう教志ゼミ」を開いた。道教育大学や北海道文教大学、星槎道都大学の学生７人が参加し、授業参観や現職教員との座談会に臨んだ。学生は、学校現場の生の声を聞きながら、教職への憧れを一層強くした。

　教員のなり手不足が全国的な課題になる中、道教委はこれまで、草の根教育実習、高校生を対象としたセミナーやインターンシップなどを展開。継続的・安定的な教員の確保に向けた取組を推進している。

　過日、大学生を対象に、大学の授業以外で学ぶ機会に関する聞き取りをしたところ、実習の良さを実感する一方で「日常の学校の姿が見たい」「教職を目指す他の大学生と交流したい」などの声が寄せられたという。

　このため、次年度以降のプログラム化に向けた新たな取組として「ほっかいどう教志ゼミ」を企画した。

　プログラムは、事前に動画を視聴したあと、学校体験を経て、２度の遠隔学習会に取り組むもの。２６日に行われた恵庭市立恵み野小学校での学校体験には学生１２人が参加した。

　東部中での学校体験には、３大学の学生７人が参加。同校の今野倫世教諭、山元悠綺教諭の授業を見学したあと、両教諭を交えて２グループに分かれて座談会に臨んだ。

　学生は、教員を目指した理由を発表し合ったあと、学級経営の方法や授業づくりの工夫、生徒との距離の保ち方、部活動や生徒会の指導、改訂生徒指導提要や中教審答申など新たな施策を学ぶ時間の確保、勤務時間や不登校生徒との関わり方など、素直な疑問を投げかけた。

　両教諭は「競技経験のない卓球部を受け持った。北広島には卓球の少年団がなく、初めて競技に触れる生徒に携わるやりがいがある」「関連書籍で学んだり、初任時代には校長がマンツーマンで話し合い形式で指導してくれたりと、現場でも学ぶ機会はあるから大丈夫」「生徒との関わり方は、若手の頃に先輩教員に相談した。教師の仕事はコミュニケーションだと思う。生徒との関係性を絶たないことが大切では」などとアドバイスした。

　このあと、座談会を通しての感想を全員で共有。学生は「人間関係力を磨く必要があると感じた」「生徒に安心感を与えられる教師になりたい」「“生徒が授業をつくる”という言葉に感銘を受けた」などと発表した。

　体験に参加した星槎道都大の笠井愛さん（３年）は「（勤務時間の長さよりも）好きなことが仕事になるという魅力を再確認できた。“教師になりたい”という思いをあらためて強くした」と目を輝かせた。

　道教委は次年度以降、札幌圏での実施規模を拡大するとともに、開催地域を広げていきたい考え。

(道・道教委 2024-02-05付)