大人たちが学び、変化を 新たなスポーツ環境構築へ 道教委が指導者養成セミナー(道・道教委 2024-02-06付)
スポーツ指導者養成セミナー
【小樽発】道教委は3日、子どもたちのスポーツ環境を支える指導者養成セミナーを余市町中央公民館で初開催した。一般社団法人SLDI代表理事の辻本智也氏、スポーツデータバンク㈱代表取締役の石塚大輔氏が講演。辻本氏は運動に対する肯定的な動機付けを行い、新たなスポーツ環境を構築する大人たちの責務を説いた。
スポーツ庁の委託事業の一環。部活動の地域移行の目的や必要性を周知するとともに、指導者に必要な情報を伝えることがねらい。オンラインを含め約40人の教員や指導者が参加した。
開会に当たり部活動改革推進課の髙橋智嗣課長補佐があいさつ。部活動の地域移行に関する諸課題の解決に向け、行政、スポーツ関係団体、企業、地域住民など関係者が協力して取り組む重要性を強調し「スポーツの環境を支える関係者が増え、子どもたちが多様な経験ができる地域づくりへとつながれば」と期待した。
続いてSLDI代表理事の辻本氏が「部活動指導者のための実践ガイド」と題して講演。メジャーリーガーの大谷翔平選手をはじめ世界で活躍するアスリートほど10歳ころまでに専門外のスポーツに取り組んでいる時間が長いデータを示し、幼少期から小中学生までに転換可能な運動スキルを身に付ける大切さを指摘した。
運動に肯定的な動機付けを行う指導者の役割にも触れ「叱る」ではなく「褒める」「改善に向けて提案する」など好循環へとつながる声かけを促し「子どもたちが安心して参加し、楽しめるスポーツ環境を提供するためにわれわれ大人たちが学び、変化する必要がある」と説いた。
つぎにスポーツデータバンクの石塚氏が「地域との連携による新たな部活動モデル」と題し、地域移行の三つの課題(指導人材、財源、管理運営)に対応する沖縄県うるま市の先行事例を紹介。スマートロックなどICTを活用した学校体育施設の管理や、企業版ふるさと納税など財源確保の手法を紹介した。
質疑応答で指導者の謝礼額に関する質問に対し「1時間当たり3000~4000円程度」と回答。地域の実情に応じた取組を進めるため、スポーツ協会、民間企業、大学といった多様な主体と連携・調整して持続可能な体制を模索する重要性を伝えた。
参加者からは「地域移行の難しさと進め方が分かった」「運動に関する今後のイメージを広げる内容で参考になった」「誰一人取り残すことなく、誰もが楽しめる運動環境をつくる重要性が分かった」などの感想が寄せられた。
(道・道教委 2024-02-06付)
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