ICT活用学校間情報交流研修会 効果的な実践例を共有 斜里朝日小でS―CEDC
(道・道教委 2024-02-06付)

 【網走発】斜里町コンピュータ教育開発センター(S―CEDC)は1月31日、斜里町立朝日小学校(外川範幸校長)でICT活用に関する学校間情報交流研修会を開催した。斜里町教委が共催。町内各校がICT実践例を発表し合い、より有効なICT活用法について理解を深めた。

 研修会は、学習用端末(クロームブック)をどのように活用しているか、各校の実践例を交流し、今後の指導の参考にすることを目的としている。オンラインを含め町内の公立小・中学校、義務教育学校の教員44人、ICT支援員や町教委職員が参加。講師には、グーグルフォーエデュケーション日本統括の小出泰久氏と市場開発本部長の上原玲氏を招いた。

 はじめに、朝日小の松原みどり教頭があいさつ。「他校の実践例や講師のアドバイスなどを受け、一つでも多くのことを学んでほしい」と実りのある研修会になることに期待を寄せた。

 続いて、朝日小、斜里小学校、ウトロ学校、斜里中学校の各教諭が、自校のICT実践例について発表した。朝日小3年生の担任は道徳・社会の授業においてジャムボードを活用することで「他の児童の意見を見て多面的に考えることができるようになる」とした一方で「タイピングの速度に差があるため使うのに苦労する子がいる」とアドバイスを求めた。

 5年生の担任は、子どもたちの興味・関心を引き出すことができることを意識し、グーグルストリートビューの情報から地図上の位置を当てるゲーム「ジオゲッサー」を利用することで、情報を探す力が身に付くことや地名を知ったり覚えたりできると紹介した。

 斜里小の情報交換教育担当は学年ごとの実践例を発表。低学年ではタイピングが難しいためタッチだけで操作できる機能を利用し、5年生の国語ではコピペを活用することで書く時間を減らし、考える時間を増やす工夫をした。また、6年生の体育ではスプレッドシートで、身長と50㍍走のタイムを入力することで自分の目標記録を知ることができ、目標を持って授業に臨むことができると紹介した。

 ウトロ学校では、児童がCanvaを用いて学級通信を作成し、実際に配布していると発表。図工の時間には、Padletを利用することで、作成物の写真をコメントとともにアップし、他の生徒と交流することで同時にSNSの正しい使い方も学べるのではないかと話した。また、斜里中では、数学において関数アプリ「GeoGebra」を用いることで、式を入力するとグラフや図形などを瞬時に出してくれ「目で見て分かりやすいため相性が良い」と紹介した。

 このあと、グーグルフォーエデュケーションの上原氏が発表を受け、より細かい使い方や便利な機能を紹介。また、今後利用できなくなるジャムボードの後継ツールとして、教育委員会も利用している「Figjam」へ移行することを勧めたり、多く寄せられたグーグルドライブに対する質問などに回答したりした。

 小出氏はGIGAスクール構想について、GIGA2・0(第2期)がこれから始まることについて、今までより先鋭化していくことを喚起し、教育分野のデジタル化の重要性を説いた。

 グーグルフォーエデュケーションはあす7日、網走市立東小学校で行われるICT活用研修会において、講演会を行う予定となっている。

(道・道教委 2024-02-06付)

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