札幌栄中　職業人講話　自分で決めやってみて　アニメクリエイター招き

（札幌市 2024-02-05付）

栄中職業人講話

　札幌市立栄中学校（瀧澤佳実校長）は１月２２日、同校体育館で職業人講話を開いた。デジタル映像制作を手がける（株）グラフィニカ札幌スタジオの田熊健マネージャーが来校。２年生２３０人に向けてアニメクリエイターの仕事ぶりについて紹介し「将来役に立たなさそうでも、無駄に思えても、自分で決めたことを一生懸命やってみて」と自発的に行動を起こす大切さを訴えた。

　栄中は、キャリア教育の一環として職業体験と職業人講話を行っている。コロナ禍を経て４年ぶりとなった昨年１１月には、医療・保育・スポーツ分野など８業種で地元企業の協力を得ながら職場体験を実施。

　職業人講話は、体験しなかった職業の第一人者を同校に招き、生徒たちに業務内容ややりがいを講話してもらうことによって将来の自分を考えるきっかけづくりを目的にしている。

　昨年１２月には、弁護士、落語家、アナウンサー、写真家を招き、４回実施。

　今回は、アニメクリエイターの田熊マネージャーが来校し「クリエイターの仕事」と題して講話を行った。

　田熊マネージャーははじめ、自身のプロフィールを振り返ったあと、業務内容を紹介した。「子ども向けから大人向けまで幅広くアニメ映像を制作している」と、過去に携わった作品映像を上映。ゲームやアニメ映画も多数手がけたことを聞くと、生徒たちは驚きの表情を浮かべた。

　クリエイター職に向いている人の適性として「何かのオタクで、こだわりと協調性を持ち合わせていること」を挙げた。働く意義・やりがいについて「働くことは社会とつながりを持つ方法。アニメ制作は違いの分かるオタクに届くので喜びが大きい」と熱弁した。

　特に印象に残っているのは、ピアニストの成長を描く作品の制作過程で、主人公がピアノ鍵盤を弾くと背景が流れるシステムを開発した仕事。同業他社から絶賛の声を受けたとし「苦労した仕事ほど良い思い出になる」と強調した。

　最後に、生徒たちに「たくさん失敗せよ。後悔はするな。されど反省にせよ」というメッセージを贈った。情報過多な現代において、自分が選択した意識を持つことの必要性を説き「一見役に立たなさそうで無駄に思えても、自分で決めたことを一生懸命やってみて」と自発的に行動を起こす大切さを訴えた。

　将来、人と多く関わる職業を志望する２年１組の上月結衣さんは「失敗を恐れず、自分がやりたいことを大切にしていきたい」と感想を述べた。

(札幌市 2024-02-05付)