附属函館小で異文化理解学習会 相手の立場を想像して 渡島・函館国際理解研
(関係団体 2024-02-15付)

国際理解教育研究会研修会

 【函館発】渡島・函館国際理解教育研究会(石山史会長)は9日、道教育大学附属函館小学校で異文化理解に関する学習会を開いた。管内の小・中学校の教員や道教育大学函館校の学生23人が参加し、道教育大函館校の石森広美准教授による講義やワークショップを通して文化の多面性や多層性について理解を深めた。

 学習会は異国の枠組みにとらわれず、国内にも目を向けることで文化の複合性を学ぶもの。石森准教授が講師を務め、多様性の理論や異文化理解に向けた教育実践を身近な事例をもとに文化の多面性を考えさせるワークショップを取り入れた。

 参加者は国内で異文化を感じた出来事や自分のアイデンティティーについてグループディスカッション。石森准教授は外国だけではなく、国内においても時代や年齢、企業、方言など社会的または個人的アイデンティティーを根底に文化の違いが派生すると説明。「異文化に関する情報の少なさがステレオタイプの概念を生み出している」と分析し、文化の差異だけではなく共通性を相互に理解する必要性を強調した。

 祝賀の際に花火を打ち上げる文化があるイラクで米軍が銃声と勘違いして攻撃した事例を挙げ「誤解や思い込みによって多くの人が殺りくされかねない事象も発生し得る」と指摘。身近な場面では「外国人なのにノリが悪い」などの決めつけや偏見が日常的に潜在しているとし、自身の調査から特に外国にルーツを持つ子どもが文化の違いに苦しんだ経験が多いと説明。「当たり前や普通を疑い、相手の立場や気持ちを想像する視点が異文化理解に必要不可欠」と訴えた。

 異文化理解に関する学習を進める好事例として「あって良い違い」「あると良くない違い」の特徴を考える他都市の学校の実践を紹介。「異文化を知ることは視野を広げ、固定概念を壊し、自身や自国を見つめ直す機会を与えるもの」と述べ、多面的な知識や視点を学び、想像力を育む学習が国際理解教育のあるべき姿につながることを解説した。

(関係団体 2024-02-15付)

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