道教委 第3回EBE協議会 新たな学びの成果共有 授業と宿題 ICTで接続を(道・道教委 2024-02-20付)
道教委は16日、第3回EBE協議会(学力・体力向上推進会議)をオンラインで開催した。ICTを活用した授業改善や各種調査のデータに基づくPDCAサイクルの確立など、新しいかたちの学びの成果・課題を共有。家庭学習の定着と学習意欲の向上を図るため、端末を家庭に持ち帰って学びを深めるICTの有効性が指摘された。
協議会は、検証改善サイクルの実効性の確保、ICTを活用した授業改善、学力・体力向上に関する施策や取組の成果・課題を協議し、本道全体の学力向上の取組を明確化することがねらい。
道内の教育関係団体の代表25人が参加した。
開会に当たり川端香代子学校教育局長は、小中高12年間を見据え、知識・技能やICTを活用して課題を解決する力を育てることが必要とし「客観的データに基づく検証改善を進め、子どもの資質・能力の育成に確実につなげることが重要。各地域・学校における検証改善サイクルの一層の充実に向けて支援したい」と述べた。
続いて後志教育局の福田正樹教育支援課長が第1・第2回EBE協議会の成果を報告。小中高の管理職のほか、ミドルリーダー・教務主任が参画する機会を設けたことで、検証改善の意識の向上につながっていることを伝えた。
各校種の校長がICTを活用した検証改善や授業改善の実態を報告。ショートスパンでの検証改善やPDCAサイクル自体の見直しなどが進む一方、「考える力」「主体性」など数値化が困難な課題も提起し、検証改善サイクルの形骸化を避け、実効性を確保する必要性が指摘された。
つぎに余市町立黒川小学校の後藤亮教諭、旭川市立春光台中学校の前田佳希教諭がICTを活用した授業実践をそれぞれ報告。思考の整理・共有、学習内容の定着、学びへの意欲や価値観の広がりに寄与するクラウドツールの実践事例を示した。
道PTA連合会の後藤一樹会長は、端末の活用や持ち帰りの一層の推進に期待し「プレゼンテーションなどの伝える力は今後の人生にも役立つ。学級閉鎖や不登校の子どもへのケアにもつながるので新しい取組へとシフトしてほしい」と述べた。
最後に道教育大学旭川校の山中謙司准教授が助言。各種調査のデータを効果的に活用することに加え「これまで教師が積み上げてきた経験を若手教員に伝えて授業の質を確保する枠組みが必要」と指摘した。
また、一斉学習から個別最適な学びへと指導観の転換を図るため、あらためて全国学力・学習状況調査の解説や報告書を学校内で共有する大切さを強調した。
授業の内容と家庭学習をつなぐICTの有効性にも触れ「知識・技能を獲得するドリルだけで子どもたちの興味を継続することは困難。子どもたちが自ら学びたい、家に帰ってから取り組んでみたいと思う機会をどうつくっていくかか課題であり、家庭学習と授業を関連付けることで学習への意欲が生じる」と指摘した。
(道・道教委 2024-02-20付)
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