道教委 被災地域の学校支援へ 災害支援チーム発足 早期復旧へまい進 倉本教育長
(道・道教委 2024-02-19付)

 道教委の倉本博史教育長は15日の記者会見で「北海道災害時学校支援チーム(仮称)」構想を明らかにした。基礎・応用研修を受講した教職員や道教委職員の希望者をチームスタッフとして登録し、大規模災害発生時に被災地の学校へと派遣。これまで行ってきた避難所運営支援に加え、円滑な学校再開や児童生徒の心のケアなどの支援を開始する。3月末までに制度の詳細を固めて研修を開始し、秋以降のチーム発足に向けて準備を進める。

 被災地域における早期の学校再開を支援するため、兵庫県教委の震災・学校支援チーム「EARTH」の取組を参考に開始するもの。大規模な自然災害によって複数の学校で休校となった場合など、教育活動の再開に向けて支援が必要と判断した場合、チームを派遣する予定。

 基礎研修と応用研修を受講した希望者をチームスタッフとして登録。被災地の学校に支援チームを派遣し、短縮授業などの応急教育計画の作成、教育活動の早期再開に向けた支援、児童生徒・教職員に対する協力などを行う。

 基礎研修は教職員や道教委職員のほか市町村教委の職員を対象とし、災害時の学校運営などの基礎的な研修を行う。応用研修では、派遣時に備えたシミュレーション、防災教育の計画、心のケアを含む児童生徒の指導など、学校の早期再開に向けて支援するための具体的な内容を学ぶ。

 このほか、道教委の指導主事や社会教育主事を対象とした「派遣リーダー研修」を開始。派遣時のリーダーとして必要な課題解決スキルの定着を図る。

 現在、派遣される教職員の身分や旅費、決定までのプロセス、派遣教職員を補充する在籍校へのフォローアップ体制などを検討しており、3月末までに事業の要綱を作成・周知する予定。

 記者会見で倉本教育長は「万が一災害が発生した場合、力を合わせて一刻も早い復旧・復興につながるよう必要な役割を果たしていきたい」などと決意を示した。

 記者会見では6年度新規事業の概要を説明したほか、高校生との交換留学を一層推進する考えを表明。30周年を迎えるカナダ・アルバータ州との交換留学を拡充するほか、中国との交換留学やベトナム・ハロン校とのオンライン交流の実現に向けて関係者と協議を継続していくとした。

 特別支援学校の教室不足を「早急に対応しなくてはならない課題」と強調。緊急度の高い学校から整備を進めていくとし「6年度予算案では北見支援学校の増築、札幌伏見支援学校もなみ学園分校の改修などを盛り込んだ。今後も児童生徒の状況を見極めながら必要な整備をしていきたい」と述べた。

(道・道教委 2024-02-19付)

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