共生社会コンファレンスin北海道 対等に話し合える場を トークセッションなど通し(道・道教委 2024-02-20付)
共に学び、生きる共生社会コンファレンスin北海道
文部科学省と道教委は3日、札幌市内のちえりあで本年度「共に学び、生きる共生社会コンファレンスin北海道」を開催した。全国から学びの支援者・関係者、障がい者本人など約150人が参加し、トークセッションやパネルディスカッションを実施。うちトークセッションでは、障がいの有無に関係なく、様々な立場の人が対等・平等な関係で話し合える場を増やす必要性などが指摘された。
同コンファレンスは、文科省の学校卒業後における障害者の学びの支援推進事業の一環で実施しているもの。初年度は「社会教育」をテーマに開催し「社会教育」「コミュニティ」をキーワードに、共に学び、つながり合う方法について考え合った。
本年度のテーマは「北海道における障害者の生涯学習~過去・現在・未来」。これまでの取組を振り返り、道内で行われている様々な生涯学習の実践から、北海道における共生社会の実現を目指すとともに、未来の形を考えることなどをねらった。
開会に当たり、道教委社会教育課の伊藤直人課長があいさつ。現在、障がいのある人の学びを支援する人材養成や、モデルプログラムの開発、講座等を新たに開始する市町村、社会教育施設等へのスタートアップ支援を行うなど、地域における学びの支援を行っていることを報告。
また、道社会教育委員の会議において「全ての人の可能性を引き出し、ウェルビーイングを実現する生涯学習・社会教育」をテーマに、誰もが安心して参加できる生涯学習社会の構築について話し合うなど、障がいのあるなしにかかわらず、誰一人取り残すことない社会づくりに向けた取組を進めてきたことを伝えた。
その上で、コンファレンスでの議論・交流を通して、今後の取組の一助となるよう期待を寄せた。
第1部では、はじめに、文科省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課の五十嵐裕室長補佐が共に学び、生きる共生社会の実現に向けた国の事業について、道教委の社会教育課の川崎真也主査が道教委事業の取組内容について説明した。
引き続き、NPO法人コミュニティワーク研究実践センターの宮﨑隆志理事、医療法人稲生会の土畠智幸理事長、青少年体験活動支援施設ネイパル砂川の尾山清龍社会教育主幹の3人によるトークセッション「北海道における障害者の生涯学習推進~過去・現在・未来」を実施した。
土畠理事長がみらいつくり大学校の活動で前年度から実施しているアイヌバスツアーや定期的に開催する講座の取組について、尾山社会教育主幹がネイパルの各種事業を報告した上で「プラットフォームとしてのコミュニティ」について議論。
中では「障がいの有無に関係なく、学びたいテーマや困っていることなどに関わって様々な立場の人が対等・平等な関係の中で話し合える場を増やしていくべき」「既存のルールにないルールを設定できる場をつくることが共生社会の一つのきっかけになる」などの意見が上がった。
第2部では、昼休憩を兼ねて、Cafeサボッチャを実施。バリアフリー図書の展示や、ミニアイヌ語講座の実施など、誰でも参加が可能な発表、展示、体験ブースを用意し、障がいのある人の学びをより身近に感じられるよう工夫した。
第3部では、パネルディスカッションを実施。いっしょにね!文化祭実行委員会事務局の田島美穂氏、Uスタイル北海道プロジェクトDEI&Sアドバイザーの鹿野牧子氏、NPO法人カムイ大雪バリアフリー研究所の五十嵐真幸代表理事、みらいつくり研究所学びのディレクターの松井翔惟氏が「北海道内各地の実践~過去・現在・未来」をテーマに熱い討議を展開した。
参加者からは「道内での実践者の話から、つながりの大切さが伝わってきた」「インクルーシブな環境の実現のためには、健常者が門戸を開くだけではなく、障がい者側の障壁を取り除くことも必要だと思った」などの意見が上がった。
(道・道教委 2024-02-20付)
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