5校1団体に栄誉 石狩局 管内教育実践奨励表彰
(道・道教委 2024-02-22付)

石狩局教育実践表彰江別中央
江別中央中

 石狩教育局は、5年度管内教育実践奨励表彰の受賞者を決定した。学校教育では、全教職員で共通して授業改革に取り組む江別市立中央中学校(佐藤誠校長)など5校、社会教育では、家庭教育支援事業の継続的な実施等に努めるえにわはぴナビネットワーク(平井梓代表)の1団体を選出した。表彰状贈呈は今後、受賞者が所在する地域・学校で実施する。受賞校・団体の概要はつぎのとおり。

◆学校教育

▼江別市立中央中学校(佐藤誠校長、生徒数539人)=文武両道の学校を目指して~気づき、考え、工夫する、主体的に自他の成長のために行動する生徒の育成

 長年にわたり「ふるさとの大地で知性を磨き心を耕し身体を鍛えよう」を教育目標に掲げ、文武両道を目指した特色ある教育活動の推進に努めている。

 特に、全国学力・学習状況調査等の各種調査結果を踏まえ、授業における個人思考の場や他者との交流の場の設定を工夫するなど、全教職員で共通して授業改革に取り組み、学力保障に向けて大きな成果を上げている。

 また、5年度には「石狩管内教育研究会学校課題研究発表会」発表校として、情報活用能力の育成に向けた学校独自の年間指導計画をもとにしたICTの効果的な活用を図る授業を公開するなど、授業改革に向けた実践は高く評価できる。

 5年度石狩管内教育研究会学校課題研究発表会開催。

▼恵庭市立恵み野小学校(中田和彦校長、児童数317人)=よりすこやかな心身の成長をめざし、進んで学び創り出していくこどもの育成

 長年にわたり「たのしく(創造)」「なかよく(協力)」「たくましく(健康)」を教育目標に掲げ、知・徳・体の調和の取れた成長の実現を目指した特色ある教育活動の推進に努めている。

 特に、ICTを効果的に活用した授業実践について、校内研修を充実させるとともに、授業において教師が説明する時間の目安を設定するなど、全ての子どもが活躍する授業改革の推進に向けて大きな成果を上げている。

 また、学校経営の成果と課題を定量的・定性的評価指標として設定し、検証改善サイクルを充実させるとともに、年間を4期に分け、重点的に取り組む内容を期に応じて焦点化するなど、カリキュラム・マネジメントの充実に向けた実践は高く評価できる。

 5年度学校力向上に関する総合実践事業指定校。

▼石狩市立花川南小学校(熊谷清秀校長、児童数561人)=たくましく 生きる 南小の子の育成

 長年にわたり「思いやりのある 明るい子(情)」「根気強く がんばる子(意)」「工夫しながら 学ぶ子(知)」「健康で 元気な子(体)」を教育目標に掲げ、特色ある教育活動の推進に努めている。

 特に、2年度からの「授業改善推進チーム活用事業」、5年度からの「新しいかたちの学びの授業力向上推進事業」の配置校として、1人1台端末を活用し、対話的な学びを重視した実践に取り組むなど、授業改革の推進に向けて大きな成果を上げている。

 また、新しいかたちの学び推進教員を研究部に配置し、校内研究と指定事業の一体化を図るとともに、授業におけるICTの効果的な活用について、石狩市内の学校に情報発信するなど、資質・能力の育成を図るICTの有効活用に向けた授業改革の実践は高く評価できる。

 5年度新しいかたちの学びの授業力向上推進事業配置校。

▼新篠津村立新篠津小学校(田中亮一校長、児童数129人)=地域の特色を生かしたふるさと教育の推進

 長年にわたり「基本を身に付け、未来を拓く子」「他者を認め、伝え合う子」「諦めずにやり抜き、高め合う子」を教育目標に掲げ、特色ある教育活動の推進に努めている。

 特に、地域における体験活動を教育課程に効果的に位置付け、福祉施設において交流したり、外部講師を招いて体験活動を実施したりするなど、児童一人ひとりが地域の良さを実感できる教育活動の推進に向けて、大きな成果を上げている。

 また、小中一貫教育における目指す子ども像「ふるさとを愛し 夢や希望をいだいて 未来を切り拓こうとする たくましい子ども」の育成に向け、9年間を見通した教育課程の編成、実施、評価および改善を行うなど、ふるさと教育の充実を図る実践は高く評価できる。

▼野幌高校(壽淺章洋校長、生徒数250人)=野幌コンソーシアムによる地域一丸となった学校運営

 昭和23年の開校以来、70年以上にわたり地域の学校として有為な人材を輩出してきた。令和4年度からはアンビシャススクールとして、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着や社会的・職業的自立に向けて必要な能力等の育成に重点を置き、基礎学力の定着において、着実に成果を上げており、地域から注目と期待を受けている。

 特に、北海道情報大学との高大連携に関する協定の締結、江別商工会議所と連携したキャリア教育の取組、および学童保育施設との異年齢交流等、地域と共に歩む学校づくりの推進に大きな成果を上げている。

 また、6年度に、学校運営協議会の設置とともに、江別商工会議所などの経済団体、教育文化施設、大学、および専門学校等から構成される「野幌コンソーシアム」を組織することを計画している。

 本コンソーシアムを活用することによって、生徒が地域と共に課題解決する探究活動を推進し、地域社会との大きなつながりで生徒を育てる「生徒センタード教育」への転換を図っており、地域一体となった魅力ある学校づくりの実践は高く評価できる。

◆社会教育

▼えにわはぴナビネットワーク(平井梓代表、会員数38人)=家庭教育支援事業の継続的な実施と自走化

 平成28年度に恵庭市で実施した道教委事業「家庭教育ナビゲーター養成講座」をきっかけに、それまで活動していた団体や個人で活動を開始し、令和元年度にネットワーク組織として発足した。

 研修だけ行うのではなく実際に活動することを重視し、平成28年から恵庭市教委と連携した事業「えにわままっぷ」を主催。大学生や市内団体と連携しながら活動を継続している。

 道教委としての事業終了後も独自の取組として自走し、現在も継続的に活動する体制構築に成功している点が、特に評価できる。

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石狩局教育実践表彰恵庭恵み野
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石狩局教育実践表彰えにわはぴナビネットワーク
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(道・道教委 2024-02-22付)

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