孤立しない体制づくりへ七飯町教委　七重小に共同事務室　加配活用し事務機能強化

（市町村 2024-03-27付）

　【函館発】七飯町教委は本年度から七重小学校（金澤力校長）に共同学校連携事務室を立ち上げた。道教委の加配事務職員を活用し、同校の柳恵美子専門事務主任が町内小・中学校の事務職員を統括する立場を担う。現在は町内全校の備品台帳等が確認できるポータルサイトを構築中。１人職場が多い事務職員が学校の垣根を越えて相談できる体制を整え、誰もが孤立しない環境につなげている。

　事務職員は１校に１人ずつ配置されることが基本的で、業務効率や人材育成が課題となっている。国は平成２９年の法改正で共同学校事務室を制度化。道内では３０年に東神楽町で設置されたが、全道的な設置率は令和３年度時点で１０％にとどまっている。

　渡島管内では、七飯町教委が５年１月に初めて共同学校事務室の設置要綱を定めた。道教委の学校力向上推進事業を活用し、中核校の七重小に事務職員を１人加配。本年度から同校の金澤校長が室長、柳専門事務主任が室長補佐として町内全小・中学校の業務効率化を図る取組を本格化させている。

　町では共同学校連携事務室運営会議や町教委の担当者を含む事務連携会議などを含む年９回、各校の課題や備品調達に向けた予算要望について意見を交わす。最近では導入から２０年以上が経過し、不具合が生じていた大型シュレッダーの購入が全校共通の課題に。これまで各校が個別に町教委へ要望していたが、全校分の希望を取りまとめることで調達がしやすくなったという。

　教職員の働き方改革にも効果が見られている。保護者から教材費等を集める学校徴収金の口座振替は本年度、小学校１校を除く全７校で進めた。これまで学級担任が集金していたが、業務の負担だけではなく、金銭事故の発生が懸念される恐れがあった。金澤校長は「事務職員の力は学校運営に欠かせない。どうすれば互いがスムーズに業務を進められるかを考えるためにも町教委、学校、事務職員による縦と横の連携は大きい」と手応えを口にする。

(市町村 2024-03-27付)