東川町 6年度教育行政執行方針 新教科「Globe」推進 英語ツールに幼小中高連携
(市町村 2024-04-15付)

東川町杉山昌次
東川町教委・杉山昌次教育長

【旭川発】東川町教委の杉山昌次教育長は6年度教育行政執行方針において、文部科学省の教育課程特例校制度による新教科「Globe」の推進に取り組む考えを示した。児童生徒一人ひとりの英語をツールとしたコミュニケーション能力や物事を国際的な視野で考えることができる力の育成を目指し、幼・小・中・高の連携のもと活用するとともに、町内在住の留学生や海外の学校との交流を実施する。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【基本方針】多様な子ども一人ひとりを尊重し、良さを伸ばし、自立を助け、生きる力を育む

【重点施策】

▼ふるさとを学ぶ

 地域資源を効果的に活用し、自然や歴史、芸術文化などふるさとへの理解を深め、町で生まれ育ったことを誇りに思い、社会に貢献できる人材育成に努める。

▼学ぶ力をつける

 疑問や課題に向き合い、興味・関心を持って「学ぶことが正しい」と感じ、多様な他者と共に学ぼうとする子どもを育成する。ICTを効果的に活用し、主体性・対話性・協働性を持って学び合える力を育む。

▼教育課程特例校による新教科「Globe」の推進

 自国と地域の文化や伝統に根差した自己の確立、多様な文化や価値観を受容し共生できる態度、文化の異なる人々との英語をツールとしたコミュニケーション能力、国際的な視野で考えることができる力を育成するため、特別教科「Globe」を文科省の教育課程特例校制度を活用して、幼・小・中・高の連携のもと実施する。また、フィンランドなど海外の学校との交流を進める。

【主要施策】

▼就学前教育の推進

 子どもにとっては遊びが学びのため、考える力や協働する力など社会性や生活力、コミュニケーション能力を育むとともに、幼・保・小連携を進める。

 新たに町が設置を予定している「子ども家庭センター」と連携し、子育て支援や発達相談支援体制の充実など、子どもに関する一体的なサポートを行う。

▼学校教育の推進

▽豊かな心と非認知能力の育成

 演劇の要素を取り入れた授業や学校行事などで自制心や忍耐力など自分と向き合う力、意欲や向上心など自分を高める力、共感性・協調性・社交性など他者とつながる力を育む。

▽組織力・学校力の向上

 子ども一人ひとりのウェルビーイングな環境を考え、SC・SSW・精神保健福祉士などと連携し、学校と地域の協働体制を整えるとともに、校内サポート室や教育支援室を充実させる。

 小学校での教科担任制、小・中での複数担任制や学年団担任制導入を検討する。

 ICT機器や生成AIを効果的に活用し、効率的で質の高い授業や子どもの特性を尊重した指導、一斉画一指導を排し、多様性を生かした指導のため、研修や視察など教職員の資質・能力の向上に努める。

 部活動指導員や校務支援スタッフの配置などによる校務の効率化、部活動の地域化・普遍化を進め、働き方改革を進める。

▽GIGAスクール構想の推進と学びの質的向上

 生成AIの教育への活用を進め、社会情勢の変化を踏まえた課題発見・解決学習に取り組む。

▽特別支援教育体制の充実

 特別支援講師や特別支援員の配置を充実させ、一人ひとりの特性に応じた学習支援を行い、自立した生活ができるよう育む。

▽農育・食育・水育とキャリア教育の推進

 体験農園の活動等を通して、子どもの生きる力を育む農育・食育に取り組み、その一部を新教科「Globe」に位置付けて行うとともに、町の水資源についての理解を深める取組を進める。中学生の職場体験などを行い、キャリア教育を進める。

▼東川町学び舎事業の推進

▽東川高校や旭川福祉専門学校の振興

 東川高校や旭川福祉専門学校は、関係機関と協力して町の特性を生かした振興に協力する。東川高は町が持つ社会資源を有効に活用した探究型学習を取り入れた魅力ある教育課程の実施や生徒の道外募集に協力する。

▽公設塾の充実

 高校生が放課後に安価に学ぶことができるよう、公設塾を運営し、受験対策だけではなく、進路・キャリア支援にも取り組む。

▽仮称LIPフェス

 町内の中・高・専門学生や地域で活躍する社会人などが互いに学び合うことができる、世代や立場を超えた学びの機会をつくる。

▼学社連携の推進

 学校運営協議会と地域学校協働本部が両輪となり、スキーや水泳などの授業の支援のほか、小中学生の放課後学習を行うなど学社連携事業を推進する。

▼スポーツ振興・健康促進と部活動等の地域化

 部活動を地域化・普遍化する取組を進めるとともに、希望に応じて複数種目への取組を推奨するなどアスリート育成や子どもの希望に応じたスポーツ・文化環境の充実に努める。

(市町村 2024-04-15付)

その他の記事( 市町村)

神恵内村6年度教育行政執行方針 ICTで深い学び充実 部活動地域移行など推進

神恵内村玉川量規  【小樽発】神恵内村教委の玉川量規教育長は6年度教育行政執行方針において、ICTの活用を図り、主体的・対話的で深い学びの充実に努めるとした。また、教員の働き方改革と、部活動の地域移行を進めて...

(2024-04-19)  全て読む

美瑛町 6年度教育行政執行方針 通学路に手押し信号機 未設置校にエアコン整備

美瑛町鈴木貴久 【旭川発】美瑛町の鈴木貴久教育長は6年度教育行政執行方針において、児童生徒の交通安全確保に向け、通学路に手押し信号機を設置する考えを示した。また、エアコン未設置校にも空調設備を設置する。 ...

(2024-04-17)  全て読む

音威子府村 教育行政執行方針 高校魅力化 地域みらい留学等 小・中各教室に空調設備

音威子府髙橋利玄  【旭川発】音威子府村教委の髙橋利玄教育長は6年度教育行政執行方針において、おといねっぷ美術工芸高校の魅力向上に向け、木の手づくり展や道外で開催する「地域みらい留学」など学校説明会へ積極的に...

(2024-04-16)  全て読む

占冠村 6年度教育行政執行方針 小中一貫教育 学校間連携強化 各校普通教室にエアコン

占冠村多田淳史 【旭川発】占冠村教委の多田淳史教育長は6年度教育行政執行方針において、義務教育学校・小中一貫校の教育の充実に向け、相互乗り入れや兼務発令などによる学校間連携を強化する考えを示した。また、猛...

(2024-04-16)  全て読む

新十津川町6年度教育行政執行方針 部活動地域移行 生徒受入へ協議 新十津川農高とCS検討

新十津川町久保田純史  【岩見沢発】新十津川町教委の久保田純史教育長は第1回定例町議会で6年度教育行政執行方針を説明した。学校と地域が連携・協働し、魅力的な教育活動を実現していくため、新十津川農業高校と共にコミュ...

(2024-04-16)  全て読む

マザーズルーム設置の佐呂間中 開設以来延べ350人利用 教職員の心と体の健康改善に

 【網走発】昨年9月、産休や育休明けの教職員のために全道初、全国で2番目にマザーズルームを設置した佐呂間町立佐呂間中学校(安田吉雄校長、教職員24人)において、開設以来延べ350人を超える教...

(2024-04-12)  全て読む

千歳市 第4次食育推進計画 望ましい食習慣形成へ 地元食材で給食、調理体験

 千歳市は、第4次食育推進計画を策定した。計画期間は6年度から10年度までの5年間。望ましい食・生活習慣の形成に向けて、学齢期を対象に早寝早起き朝ごはん運動の推奨、学校給食での地元産食材活用...

(2024-04-12)  全て読む

本別町 6年度教育行政執行方針 AI型学習ドリル導入 校種間連携で能力最大限に

本別町高橋哲也  【帯広発】本別町教委の高橋哲也教育長は6年度教育行政執行方針において、同一校種間や異校種間の連携によって、発達段階に応じた能力・個性を最大限に伸ばす教育を進めることを示した。また、AI型学...

(2024-04-11)  全て読む

置戸町 6年度教育行政方針 小中一貫教育 交流機会増加へ 置戸高で地域みらい留学

置戸町平野毅  【網走発】置戸町教委の平野毅教育長は、3月中旬に開会した第3回町議会定例会で6年度教育行政方針を説明した。小中一貫教育において、新年度は「推進期」と位置付けた2年目の最終年となり、合同行事...

(2024-04-11)  全て読む

佐呂間町教委 部活動地域移行へ 休日先行し順次平日に 今後の在り方で協議会答申

佐呂間部活動地域移行検討協議会  【網走発】佐呂間町教委は3月28日、町部活動地域移行検討協議会から町立学校における部活動の今後の在り方について、答申を受けた。持続可能な運営に必要な主体の在り方、地域社会との役割分担、指導...

(2024-04-11)  全て読む