新十津川町6年度教育行政執行方針 部活動地域移行 生徒受入へ協議 新十津川農高とCS検討(市町村 2024-04-16付)
新十津川町教委・久保田純史教育長
【岩見沢発】新十津川町教委の久保田純史教育長は第1回定例町議会で6年度教育行政執行方針を説明した。学校と地域が連携・協働し、魅力的な教育活動を実現していくため、新十津川農業高校と共にコミュニティ・スクールの導入に向けて検討する。このほか、中学校の部活動地域移行に向けては、生徒一人ひとりに合った放課後活動の在り方を念頭に、関係団体や保護者との協議を進める。本年度は、地域での受け皿となる少年団、スポーツクラブなどと、中学生の受け入れ可能性についての意見交換を行い、保護者、教員へのアンケート調査を実施する。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育の充実】
▼確かな学力の育成
基礎的な学力の確実な定着だけでなく、一人ひとりの能力、適性等に合わせて、学習への意欲を高め、興味を持って学ぶ環境を充実させる。様々な教育課題、多様化する教育ニーズに対応し、子どもたちの学力を向上させていくことを目的として、少人数指導などの授業、家庭学習の充実や習慣化に向けた支援を行う学習支援サポーターを配置する。
小学校高学年においては、国語、算数など複数の教科について、専門性を有する教員が担当教科ごとに指導を行う教科担任制を実施する。さらに、中学生においては、主要教科における学習指導による基礎学力の定着を図るための学力向上推進講師、実技指導教科免許を持つ専科指導講師を配置する。特別な支援を必要とする児童生徒に対し、個に応じた適切な支援を行うため、中学校にも、新たに支援員を配置する。
グローバル化が進む中で必要となる英語教育について、新たなALTを招致し、2人体制で、リスニング能力を中心に英語力の向上に取り組む。継続して実施している各種検定助成について、語彙力の向上や漢字能力の向上を促進するため、小学6年生・中学生には漢字検定の検定料を、中学生の着実な英語力向上を促進するため、中学3年生には3級以上の英語検定の検定料を全額助成する。
全ての子どもたちの可能性を引き出し、個別最適な学びと協働的な学びの実現のため、ICT環境の充実や教職員の指導力の向上などの環境整備を進め、教科指導等においてICTを適切に活用。学習への興味、関心を高めるなど、教育の質を向上させ、子どもたちの情報活用能力の育成を図る。
また、児童生徒一人ひとりが社会的、職業的自立するために必要な資質と能力の習得が図られるよう様々な分野に興味を持ち、好奇心や探究心を養うために、充実したキャリア教育を行う。
文化伝習館での陶芸授業や赤平市植松電機協力のもと、ロケット教室など、もっと深く知りたいと思う知的好奇心を刺激する授業のほか、中学生は町内事業者の協力を仰ぎながら職業体験を実施する。
スマート農業をはじめとする最先端の農業技術に触れ、本町の基幹産業である農業の魅力、可能性を学ぶ機会として、小学4年生を対象に、北海道ボールパークFビレッジにある農業学習施設クボタ・アグリ・フロントを訪問する。また、郷土のことをより具体的に学び、地域社会の一員としての自覚を持ち、郷土に対する誇りと愛着を育てる教材である社会科副読本を6年ぶりに改訂し、7年度の授業から使用する。
▼豊かな心の育成
いつ起こるか分からない災害から、かけがえのない命を守り、生きる力を育むため、本年も引き続き、防災教育の充実を図る。
▼健やかでたくましい心身の育成
心身の健康を保持し、育成していくために、食は大切な要素であることから、安全・安心で美味しい学校給食の提供に努める。
保護者の経済的負担を軽減する目的で、昨年8月から実施している学校給食費の完全無償化も継続する。
▼信頼される学校づくりの推進
小中連携は、中学校進学への不安感を取り除き、中学校への親しみを感じる効果があるほか、小・中学校の教職員が、互いの情報交換を通じて、指導内容や指導方法の理解を深めることができることから、乗り入れ授業など、義務教育9年間を見通した小・中学校の連携を図っていく。
中学校の部活動地域移行に向けては、6年度と7年度を地域移行に向けた準備期間とし、生徒一人ひとりにあった放課後活動の在り方を念頭に、関係団体や保護者との協議を進める。また、6年度においては、地域での受け皿となる少年団、スポーツクラブなどと、中学生の受け入れ可能性についての意見交換を行い、保護者、教員へのアンケート調査を実施する。
▼地域全体で子供たちを守り育てる体制づくりの推進
新十津川農業高が、地域での行事や交流を通して、地域に根差した学校として、今後も存続していくための様々な取組に対し、活動経費の一部を支援する。
学校と地域が連携、協働し、魅力的な教育活動を実現していくため、新十津川農業高とともに、コミュニティ・スクールの導入に向けて検討。誰一人取り残すことのない教育環境を実現するため、経済的理由などに左右されず、安心して教育が受けられるように、小中学生の就学援助や大学などへの進学を支援する無利子の奨学金貸付制度を継続実施する。
また、将来を担う人材の育成や、切れ目のない子育て支援を目的として、公共交通機関を利用して高校等に通学する高校生の保護者に対し、通学に要する費用の一部を助成する。
【生涯学習の充実】
▼社会の変化に対応した学習活動の提供
町誕生の歴史を学び母村十津川と交流を図ることは、単に歴史を客観的に理解するだけでなく、今に至るまでの人々の悲しみや喜びにも思いを巡らし、それらを基礎として何かを学び取るきっかけになる。6年度からの児童生徒母村訪問事業は、対象者を中学生のみとし、事前に学習を計画的に行うことで、より効果を高める研修とする。
また、教職員の働き方改革を推進するため、随行者は、教育委員会職員が主体となって行う。
▼豊かな心を育む読書活動の推進
生涯学習の場としての機能を持つ図書館について、快適な環境のもとで学習、読書活動を行えるよう冷房設備を導入する。
(市町村 2024-04-16付)
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