札幌市教委5年度人間尊重の教育 多様性に向き合う学校教育の推進④ 日常生活の中で意識高揚 アイヌ民族 文化出前体験授業等(札幌市 2024-04-19付)
◆星置東小学校
【課題2 アイヌ民族に関する学習を窓口に人間尊重の意識を高める研究の推進】
▼児童生徒・学校の実態
▽学習などについてのアンケートから
「自分には良いところがある」「自分が必要とされている」と感じている子が多い反面、学年が上がるとその割合が低くなる傾向がある。
▽日常の様子から
かがやき活動(異学年交流)や行事への取組(体育大会など)を通して、様々な学年の子との関わりが多い。「お師匠さんとお弟子さん」という呼び方が定着しており、下級生に優しく接する上級生の姿や上級生に憧れる下級生の姿が見られる。
▽アイヌ民族に関する学習
本校は、アイヌ文化出前体験プログラムを長年活用している。学校ホームページでもその様子を公開しているため、子どもたちや保護者の認知度も高い。
▼ねらい(目標)
アイヌ民族の文化や考え方を学ぶ学習を通して、偏見や差別をなくし、支え合い励まし合う温かい人間関係の中で、他者から学ぶ謙虚さを持ちながら、心豊かにしなやかに生きようとする態度を育む。
▼活動内容
▽資料を活用して学ぶ「アイヌ民族の昔とくらしと今につながる文化」
▽「アイヌ文化出前体験事業」=講話、伝統楽器披露・舞踊体験、民具・衣服の説明、家屋等の説明、子ども遊び体験、質問コーナー
▽スケジュール
・7月=「人間尊重の教育」推進事業全体構造の作成、学習指導計画の作成
・8月=教材研究・指導案の作成
・9月=4年生授業公開
・10月=アイヌ文化出前体験事業
・12月=振り返り・まとめ
▼成果
▽キーワード化=日常生活の中での意識の高まり
アイヌ民族の考え方を「3つの共生」としてキーワード化し、自分の生活と結び付けて考えさせることで、子どもたち一人ひとりの人間尊重の意識を高めることにつなげることができた。
また、教材研究や授業交流を通して、教職員自らの人間尊重の意識を高めるとともに「人間尊重の教育」の重要性を再確認することができた。
・3つの共生
①子ども(村の宝として)やお年寄り(尊敬の対象として)を大切にする社会
②物を(神として)大切にし、人間は自然に守られているからこそ自然と共に生きる社会
③十分な話し合いで解決し、豊かな生活につながる平和な社会
▼課題
▽アイヌ民族に関する学習=ほかの学習にも広げる
今回の取組は、学習を通して人間尊重の意識を高めることの一つのモデルケースとなった。それをアイヌ民族に関する学習以外にも広げ、どのような取組ができるのか具体的に検討する必要がある。
▽継続・持続
子どもたちも教職員も今回の取組を通して人間尊重の意識を高めることができた。また、日常生活の中でも意識の高まりを持続できる学習展開・単元構成を考えたが、ねらいどおりに子どもたちの中で人間尊重の意識が育まれているのかは、検証していく必要がある。
▼今後の取組の方向性
▽年間指導計画への位置付け=様々な角度からの取組
今回は、アイヌ民族に関する学習を窓口に人間尊重の意識を高めるための取組を行った。今後は、各学年の年間指導計画の中に人間尊重の教育への取組を位置付け、学校全体として取り組んでいきたい。
▽指導資料の共有化・交流
個の取組を学校全体のものとして共有化し、星置東小学校の「人間尊重の教育」をさらに充実させていく。
(札幌市 2024-04-19付)
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