秩父別町 6年度教育行政執行方針 義務教育学校 8年度開設へ準備CSコーディネーター新設
( 2024-05-13付)

秩父別町早川聡
早川教育長

 【岩見沢発】秩父別町教委の早川聡教育長は第1回町議会定例会で6年度教育行政執行方針を説明した。8年度の義務教育学校の開設に向けた準備として、各教科等の系統図や学習規律など9年間の学びをまとめた「秩父別学園スタンダード」の作成に着手。コミュニティ・スクール(CS)関連の施策として、学校と地域の連絡・調整を担うコーディネーターを新設し、社会に開かれた教育課程の実現を目指す考えを示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育】

 義務教育学校の開設が円滑に進むよう小中一貫教育の推進を確実に図るとともに積極的な情報提供と意見交換を行い、教職員や保護者との共通理解・認識を深める。

 児童生徒の育成を目指す資質・能力を「知識および技能」「思考力、判断力、表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の三つの柱としてバランス良く育む。

 子どもたちに何ができるようになるかという観点で、主体的・対話的で深い学びの実現のための授業改善のために、引き続き社会に開かれた教育課程の実現に向けて取り組む。

▼教育内容の充実

 8年度4月に開設する義務教育学校を念頭に、小中一貫教育の推進を図る。

 前年度から協議・検討されてきた内容をもとに、本年度は具体的な各教科等の系統図や学習規律など9年間の学び方をまとめた秩父別学園スタンダードの作成や学校行事を通して、9年間の一貫性のある指導の教育的効果を検証し、方針を作成する。

 小・中学校間において、定期的な合同研修会の実施や相互の乗り入れ授業に加え、児童生徒会の交流事業や学校行事の視察交流などを実施する。

 ICT環境の充実に伴い大きく変化した学びのスタイルについて、教職員が子どもたちと共にICTに慣れ親しみ、身近な学習道具として活用し、情報の収集や整理、課題解決、個々の考えの共有等によって学習効果の向上に努める。

 デジタル教科書やデジタル教材、デジタルドリルなどの積極的な活用を推進し、個別の学習課題を見つけ出し、個別最適な学びと協働的な学びの充実に努める。教育へのICT機器の活用に伴う児童生徒のトラブル防止のため、情報モラル教育と情報教育に重点を置き、適切な利用についての指導を行う。

▼教育環境の充実

 本年度から建設工事が始まる義務教育学校について、進捗状況を適切に管理する。

 CSについて、社会に開かれた教育課程の実現のために社会教育と連携し協働活動の充実を図るため、コーディネーターを設置する。

 こども園と学校の円滑な接続の推進のため、園児と児童の交流や、こども園職員と学校職員が相互の教育への理解を深め、教育上の課題を共有していく体制づくりを検討する。

 本年度から導入する校務支援システムやICT機器を積極的に活用し、効果的で質の高い教育活動を持続的に行うための効率的な学校業務の推進に努める。

 子どもたちの自己肯定感を高めながらより良い人間関係を育てるために、教師と子どもたち、子どもたち相互の望ましい人間関係に基盤を置く学校経営を目指す。

 子ども一人ひとりが考え、議論する道徳の授業への質的転換を図るとともに、学校生活における子どもの満足度や意欲、集団の状態を調べるQ―Uテストを継続して行う。

 いじめアンケートの結果を分析して活用するとともに、スクールカウンセラーや適応指導教室相談員と連携を図りながら、いじめの未然防止や不登校の早期発見・解決に努める。

 部活動の地域移行について、本年度は現状把握と課題の抽出に注力し、地域連携による試行と検証に努める。

 特別な支援を必要とする子どもには個別の教育支援計画や個別の指導計画を活用し、一貫した指導や支援に取り組む。

 安全教育の充実や学校安全に係る危機管理体制の強化を図る。

 町が助成している放課後学習塾の充実を図り、子どもたちのさらなる学力向上を目指す。

 教職員の不祥事根絶のため、研修の徹底と意識共有の徹底を図る。

( 2024-05-13付)

その他の記事

奈井江町 6年度教育行政執行方針 小・中の在り方 CSと協力し議論 まち中音楽システム推進

奈井江町相澤公  【岩見沢発】奈井江町教委の相澤公教育長は、第1回町議会定例会で6年度教育行政執行方針を説明した。子どもたち一人ひとりが生きる力を備えていくための小・中学校9年間の在り方について、コミュニテ...

(2024-05-20)  全て読む

長沼町 6年度教育行政執行方針 ICT活用し教員研修 小・中で学習規律統一など

長沼町間嶋勉  【岩見沢発】長沼町教委の間嶋勉教育長は、第1回定例町議会で6年度教育行政執行方針を説明した。ICT活用の教員研修をさらに推進し、全ての教員が学習アプリや校務支援システム等を効果的に用い、学...

(2024-05-16)  全て読む

妹背牛町 6年度教育行政執行方針 小・中にエアコン設置 校務支援システム導入も

 【岩見沢発】妹背牛町教委の廣澤勉教育長は、6年度教育行政執行方針を説明した。熱中症等の対策と学習しやすい環境づくりのため、小・中学校にエアコンを設置する考えを表明。校務支援システムを新たに...

(2024-05-14)  全て読む

三笠市 6年度教育行政執行方針 小中一貫CSを推進 ICT活用し学力向上へ

三笠市小田弘幸  【岩見沢発】三笠市教委の小田弘幸教育長は6年度の教育行政執行方針において、小中一貫コミュニティ・スクールを推進することによって、家庭・学校・地域全体で子どもたちを守り育てる環境の充実に努め...

(2024-05-09)  全て読む

栗山町 6年度教育行政執行方針 ICT活用し教育活動 高専一貫教育プログラムも

栗山町吉田政和  【岩見沢発】栗山町教委の吉田政和教育長は6年度教育行政執行方針について、プログラミング学習などのICTを活用した教育活動を展開し、発達段階に応じた情報活用能力や情報モラルの育成を図っていく...

(2024-05-08)  全て読む

由仁町 6年度教育行政執行方針 小・中普通教室に冷房 夏・冬季休業日時期見直し

由仁町石井洋  【岩見沢発】由仁町教委の石井洋教育長は、第1回定例町議会で6年度教育行政執行方針を説明した。小・中学校の普通教室等の冷房設備工事を実施。さらに、熱中症警戒アラート等発生時の臨時休業基準の見...

(2024-04-15)  全て読む

滝川市 6年度教育行政執行方針 全小・中にAIドリル 部活動地域移行へ協議会

滝川市田中嘉樹  【岩見沢発】滝川市教委の田中嘉樹教育長は第1回市議会定例会で6年度教育行政執行方針を説明した。児童生徒一人ひとりの理解度に応じて問題を出題できるAIドリルを小・中学校全校に導入する。また、...

(2024-04-12)  全て読む

赤平市 6年度教育行政執行方針 小中9年間で学力向上 部活動地域移行へ連携深化

赤平市高橋雅明  【岩見沢発】赤平市教委の高橋雅明教育長は第1回市議会定例会で6年度教育行政執行方針を説明した。市教委と学校が連携を深め、小・中学校の9年間を見通した学力向上に効果的な教育活動の発展のため、...

(2024-04-10)  全て読む