三笠市 6年度教育行政執行方針 小中一貫CSを推進 ICT活用し学力向上へ
( 2024-05-09付)

三笠市小田弘幸
小田教育長

 【岩見沢発】三笠市教委の小田弘幸教育長は6年度の教育行政執行方針において、小中一貫コミュニティ・スクールを推進することによって、家庭・学校・地域全体で子どもたちを守り育てる環境の充実に努めるほか、ICTを活用した着実な学力の向上を図り、個別最適化された学びの実現を目指す意向を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【幼児教育】

 幼保連携型認定こども園においては、生活や遊びといった直接的・具体的な体験を通して人間形成の基礎を培うとともに、市内の園児が安全・安心に通園できるよう努めていくほか、認定こども園幼稚部副食費助成事業として、移住・定住を促進するための子育て施策の一環としての役割と市内経済の活性化を図るために、保護者が負担する副食費相当分を商工会が発行する商品券で助成する。

【学校教育】

 子どもたちが将来にわたり、自らの力で自立して生きていくためには、基礎学力の定着が必要なことから、学力向上未来塾推進事業を引き続き実施するとともに、小中一貫コミュニティ・スクールを推進することによって、家庭・学校・地域全体で子どもたちを守り育てる環境の充実に努めるほか、GIGAスクール構想に基づき、ICT活用を推進し、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、個別最適化された学びの実現を目指す。

 さらに、引き続き学習基盤となる言語能力・情報活用力を育成するため、読解力を支える語彙力を強化する取組を教育研究所と連携し推進するとともに、子どもたちの生きる力を育むため、自らの命は自ら守るという防災教育の推進や英語への興味・関心を高め、今後必要となる実践的コミュニケーション能力を身に付けるため、3歳から小学校6年生までの親子を対象とした英語教室を開催するほか、小中9年間を通した食育に関する計画に基づき次代を担う子どもたちの食育授業の充実を図っていくとともに、新給食センターにおいて安全・安心な給食提供を行う。

 また、小中学生の給食費無償化を引き続き実施し、子育てしやすい環境づくりの推進や吹奏楽指導者招致事業として、札幌交響楽団所属の演奏者を招致し、子どもたちへの指導によって、演奏技術の向上や協働しながら音楽表現を生み出す素晴らしさを学ぶ環境づくりに取り組むほか、学校部活動の地域移行については、各種課題を整理し、地域の実情を踏まえながら進めていくとともに、学校における働き方改革を継続して推進していく。

▼特別支援教育

 特別支援教育については、障がいのある児童生徒の学校生活にきめ細かな指導を展開するとともに、学習上の困難な状況に対して支援員を配置するほか、各学校の実態に見合った必要な学習の支援を行う。

▼いじめ問題対策

 いじめ問題対策については、いじめの防止等の対策を総合的かつ効果的に推進するとともに、スクールカウンセラーと連携を図りながら、児童生徒が発する小さなサインも見逃さないようこれまでの取組を継続するとともに、子どもたちが安心して生活し、学ぶことができる環境づくりに努める。

▼教育研究所

 教育研究所においては、新学習指導要領を基本に、本市の特色ある教育と新しい学校教育の実現、さらに学力向上を図るための研究活動を進める。

▼市立高校・高校生レストラン

 三笠高校については「笑顔を生み出す人の育成」を学校経営方針として掲げ、食物調理科の特色を生かした教育活動を展開し、多様化する社会に対応できる力を持った人材や地域に貢献できる人材の育成に努める。

 また、授業や高校生レストランでの研修を通して、食に関する高度な専門的知識と技術のほか接客や経営力などを学ぶことによって、社会で活躍できる人材育成を図るとともに、三笠高の魅力づくりの発信のさらなる取組によって、安定した生徒確保に努めていくほか、引き続き高校寄宿舎生徒支援事業として、親元を離れ寄宿舎で生活している生徒の生活支援を実施する。

【社会教育】

 家庭・学校・地域が連携しながら子どもを育む環境づくりの推進や学びの成果を生かす機会の提供など、楽しく学び合い、新しい時代を拓く生涯学習の推進と心豊かな人づくりを目指し、各施策を推進していく。

▼青少年教育

 市地域子ども会育成連絡協議会の諸活動への参加を促し、自主的に行動できる子どもたちの育成に努めるとともに、三世代交流事業等を通じて交流を図り、子ども会活動を推進していく。

▼歴史文化の保存と継承

 文化遺産については、大切に保存・展示するとともに、郷土芸能の魅力や継承の意義などをPRしながら、後世に継承していくための取組を実施。三笠北海盆おどりについては、炭鉱全盛期の歴史文化を継承する本市の一大イベントとして、引き続き開催するとともに、北海盆唄全国大会についても、北海盆唄発祥の地として、歴史的文化遺産の継承・発展を図るため、引き続き開催する。

▼博物館

 展示数日本一と言われるアンモナイト化石など、古生物を生かした学術研究の充実・発展と地域に根差した特色ある教育の場を提供するとともに、特別展として、足かけ200年に及ぶ恐竜研究の歴史を振り返りながら最新の恐竜研究について、楽しく学べる展示会を開催する。

( 2024-05-09付)

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