長沼町 6年度教育行政執行方針 ICT活用し教員研修 小・中で学習規律統一など( 2024-05-16付)
間嶋教育長
【岩見沢発】長沼町教委の間嶋勉教育長は、第1回定例町議会で6年度教育行政執行方針を説明した。ICT活用の教員研修をさらに推進し、全ての教員が学習アプリや校務支援システム等を効果的に用い、学びの質の向上や効率的校務を目指すとした。小・中学校で学習規律を統一するとともに、先進地視察等を土台に事業推進や指導方法の在り方を検討するとし、教員の授業改善による学力向上に向けた取組を行っていくことを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育
▽小中一貫教育の推進
系統性を意識した指導や難易度を考慮した単元構成、9年間の見通しを持った教育活動全体のカリキュラムのさらなる充実を目指し、全員参画の学習形態を最も重視しながら、抜本的な授業改善を着実に進め、一人ひとりの子どもが主語になる授業を日常化する。
「長沼ふるさと学」については、自らの問いを立てられる人材育成に取り組みながら、教職員による授業研究や乗り入れ授業、教育課程の接続強化を推進し、義務教育9年間の子どもの成長の姿を見据え、中学卒業時の子どもの姿に責任を持つ教育に取り組む。
施設一体型義務教育学校建設に向けては、本町の義務教育のさらなる質の向上と充実に向けて、これまで推進してきた小・中一貫教育の進捗状況に加え、小学校高学年の教科担当制、9年間継続した子どもに対するまなざしによる効果的な生徒指導など、教職員がますます協働しやすくなるよう進める。
学校施設を学校教育だけの場とするのではなく、地域みんなの施設として、新たな機能・役割を持たせ活用する、学校・地域両方ともが持続可能となる地域と共にある学校づくりを、先進事例に学び、学校の主人公である子どもたちをはじめ、町民各層の意見を集約しながら目指す。
▽ICT活用による学びの質の向上
児童生徒のタブレットの家庭への持ち帰りやICT活用の教員研修をさらに推進し、全ての教員が学習アプリや校務支援システム等を効果的に用い、学びの質の向上や効率的校務を目指すとともに、学校・家庭を問わず、いつでもどこでも学習できる個別最適な学びと協働的な学びを一体的に実現する。
▽教員の授業改善による学力の向上
小中一貫合同研修会等において外部講師を招へいし、一人ひとりの学びをしっかりと支え、誰一人取り残すことのない教育や指導の在り方について研鑚を深める。
また、学習のねらいを明確にし、9年間の見通しを持って学ぶことのできる学習過程や一人ひとりの子どもが主語になる授業スタイルなど、小・中学校で学習規律を統一し、さらには先進地視察等を土台に本町の実態に合った事業推進や指導方法の在り方、施設・設備面を検討し、子どもが学びに向かう環境の整備や実りある新校舎建設につなげる。
▽豊かな心と健やかな体を育成する教育の推進
特別の教科・道徳を要として、道徳教育推進教師を中心とした組織的な授業研究や教育活動を展開するとともに、学習指導や生活指導にピア・サポートを取り入れるなど、支え合い、思いやる気持ちを大切にした取組を継続する。
「新体力テスト」を引き続き全学年・全種目で実施し、体育の授業改善を図るとともに、1校1実践の取組、部活動などへの支援を行い、体力向上や運動の習慣化を推進する。
▽子どもたちの学びを支える教育の推進
学びの連続性という観点から、町立学校長会議への長沼高校長のオブザーバー参加や長沼高校生徒への資格取得補助など、小・中・高連携も積極的に進める。
幼・保・小の連携については、保育所・幼稚園で多様な体験を通して学んできたことを小学校へ円滑に接続できるよう、体験入学や保育参観、共通行事、情報を共有する場の設定など、関係機関との連携を図り、引き続き保育所・幼稚園と小学校の接続を強化する。
小・中学校校舎の老朽化に対しては、エアコンの導入など児童生徒の安全を第一に考えた計画的な整備、補修などを行うとともに、長沼らしい教育の実現に向けた教育環境の整備など、総合教育会議で協議・調整しながら検討する。
▽子ども、保護者、地域住民の信頼を高める教育施策の推進
教員の服務規律保持については、保護者・地域から確かな信頼を得られるように、教員研修の実効性を高める。常にコンプライアンスを意識し、子どもの命と安全、教員自身の身分と健康を守る。
教員が子どもと向き合う時間や授業研究に取り組む時間の確保に向けて「学校における働き方改革アクション・プラン」に基づき、教職員の勤務実態に配慮し、校務支援システムなど新しい時代に向けた持続可能な学校運営体制の整備を進める。
いじめの問題については「町いじめ防止等に関する条例」「町いじめ防止基本方針」に基づき、いじめ見逃しゼロの徹底を目指し、保護者・地域・関係機関と連携しながら、いじめ問題に対応する。
毎年増加傾向にある不登校の対応についても、関係機関と連携を図り、組織的、計画的に支援するなど、一人ひとりの児童生徒の実態に応じ、将来の社会的自立に向けた支援に努める。
特別支援教育については、多様化への対応と卒業後の自立と社会参加に向け、個別の教育支援計画の充実など、児童生徒・保護者のニーズに応じた適切な支援に努める。
災害や事故・事件などから自らを守ることができるよう関係機関と連携し、児童生徒の防災・防犯意識の醸成を目指した効果的な防災・安全教育を支援し、地域全体で子どもたちを守り育てる。
これら学校教育の機能の充実に資するため、専門的職員を配置し、地域住民の多様な要望に応え、きめ細かい教育行政が展開できるよう取り組む。
▼社会教育
▽学校・家庭・地域が連携した子どもの健全育成
コミュニティ・スクールについては、地域と共にある学校をサポートし、地域との連携・協働を深化させる。地域全体で子どもたちの未来を考え、子どもたちの学びを充実させていくとともに、施設一体型義務教育学校の在り方も考えていく学校運営協議会を目指し、学校と地域の情報の共有化に努めながら学校を核としたまちづくりを推進する。
▽社会体育の充実
中学校における部活動の今後の在り方について、生徒が放課後の活動に継続して親しむ機会を確保できるよう、また、自発的な参画を通じて、楽しさや喜びを感じ、自己実現、活力ある地域づくりの環境を一体的に整備することを目指す。そのために専門的知見のあるコーディネーターを活用し、効果的な支援を図る。
( 2024-05-16付)
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