妹背牛町 6年度教育行政執行方針 小・中にエアコン設置 校務支援システム導入も
( 2024-05-14付)

 【岩見沢発】妹背牛町教委の廣澤勉教育長は、6年度教育行政執行方針を説明した。熱中症等の対策と学習しやすい環境づくりのため、小・中学校にエアコンを設置する考えを表明。校務支援システムを新たに導入するほか、ICTや地域の教育力を有効に活用することで、働き方改革を進めていく考えを示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

【学校教育の充実】

▼確かな学力の育成

 小学校では、2学期制に移行し2年目になるため、行事の配置や準備期間の保障、余裕を持った日程の設定をより一層吟味し、子どもたちが学習にじっくりと向き合うことで、基礎的・基本的な学習内容の定着と学習意欲の向上を図る。

 中学校では、自主的・自律的な学習態度の育成と学習習慣の定着、基礎的・基本的な知識技能の習得を実現するための指導を行う。

▼豊かな心の育成

 自立的・主体的に改善が図られるよう、自身の生活・学習習慣を見つめ直す態度のかん養と、社会の縮図としての学校で、将来の社会生活を送るために必要な行動の大切さを理解・実践する機会を創出する。

道徳的な実践力を高める道徳授業の充実を図り、夢や目標に挑戦するたくましさ、人や社会と協調して生きるしなやかさなど豊かな心を育む教育を推進する。

 社会の仕組みや役割を子どものうちから知ることで、将来において自分で判断・行動する力が備えられることから、金融リテラシー教育など、外部の専門性を有する人材も積極的に活用し、子どもたちに多様な考え方やものの見方を養う教育を推進する。

 いじめに関しては、学校・地域・家庭において兆しや変化を見逃さないよう早期発見に努め、子どもたちに対し「いじめは決して許されない」という意識をしっかり浸透させる。

 子どもたちの心の問題に丁寧に対応するため、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの招聘と巡回相談による教育相談など、外部機関との連携をこれまで同様強固にし、校内体制では支援員等を活用した個に寄り添った対応の充実と情報共有の徹底を継続して進める。

▼健やかな身体の育成

 子どもたち個々の生活実態の把握に努め、家庭との連携も含め、望ましい生活習慣の確立の一助となるよう新体力テストや全国体力・運動能力、運動習慣等調査の調査分析に基づき、運動習慣の確立や体力向上の推進を図る。

 中学校では、感染症の拡大、暑さも含めた各種災害への対策等、生徒が自ら危険を回避する能力を育む。

▼信頼される学校づくり

 家庭と学校の認識や対応が相反するのではなく、子どもを中心として連帯を深め、相乗効果を生み出していけるように、教育活動の発信やきめ細かな連携の推進に努める。

 コミュニティ・スクール(CS)に関して、学校の成果と課題を明確にし、教育活動を評価することで地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを目指す。

▼特別支援教育・通級指導の充実

 社会的な自立や社会参加につなげる生きる力を養うため、子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導計画・指導法を創意工夫し推進する。

 全教職員の共通理解に立った特別支援教育体制を確立し、関係機関との連携のもと、効果的な指導・支援の充実を図る。

 困り感を抱える児童生徒に対する通級指導教室の役割も重要になっているため、学校全体で指導体制の工夫・充実に努める。

▼学校おける働き方改革の取組

 働き方改革の推進は、より効果的な業務遂行、業務量の軽減および業務内容の見直しについて、幅広く改善方法を試行していく必要がある。

 子どもたちの学びの充実のため、また、教職員の健康が教育活動の質的向上につながり、働きがいを高めるという観点からも働き方改革の取組として、ICTの有効活用や校務支援システム導入などについて支援する。

 CSにおいては、学校運営に関して地域で担えることがないかを検証するなど、支援可能な人材発掘をはじめとする地域の教育力の活用についても協議する。

【社会教育の推進】

▼社会教育事業

 小中学生を対象としたぼくたちわたしたち体験隊や、チャレンジワールドでは、非日常の体験を通して、子どもたちの感性を刺激するとともに忍耐力・協調性・自立性を養うための学習機会を提供する。

【町の教育行政課題】

 小中一貫教育に関しては、小学校から中学校への連続した学びが確かなものとなるよう、小中連携のもと9年間を通じた教育課程の編成や学力向上改善策などについて調査・研究を行い、地域の実情に即した小中一貫教育の導入に向けた取組を推進する。

 学校建設に関しては、学校教育施設個別施設計画改定版をもとに、今後の方向性を協議・検討する。

 小・中学校エアコン設置に関しては、熱中症等による健康被害から子どもたちを守るため、そして学習しやすい環境づくりのため、国の交付金を活用し、本年度の設置に向けて取り組む。

 中学校部活動の地域移行に関しては、北空知圏域において、部活動に関する現状の把握や共通課題などを確認し、他町と連携した圏域での協議・検討をする。

( 2024-05-14付)

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