みらいの教員育成PG連携協〈道央〉 負担軽減へ開催日数減を 趣旨共有し一緒に育む意識も(道・道教委 2024-06-03付)
「みらいの教員育成プログラム」連携協議会
道教委と道教育大学の本年度北海道高校「みらいの教員育成プログラム」連携協議会(道央圏域)が5月29日、道教育大札幌校を主会場に開かれた。本年度の教員基礎探究プログラムと教員基礎プログラムの日程や内容を確認したほか、プログラム運営方法の改善策などについて協議。構成員からは、生徒の負担軽減に向け、半日日程を午前と午後の1日日程とし、開催日数を減らす案が挙がった。また「プログラムの趣旨や内容を参加校の教員同士で共有し、道教委と大学、高校が一緒に生徒を育てていくという意識を持って取り組んでほしい」との声が寄せられた。
道教委と道教育大は、4年度から「みらいの教員育成プログラム」を開始。教員志望の高校生を対象に教員としての素養や意欲を高めるプログラムを提供している。
3年生を対象とした「教員基礎探究」、2年生対象の「教員基礎」を設置し、道教育大との連携による各教育プログラムを展開している。
教員基礎探究では、小学校や中学校で行われる教育活動の体験や実習のほか、教育課題を生徒が各自で設定。情報収集や収集した情報を整理し、各課題の解決方法を表現する活動を展開する。
教員基礎では、大学進学後の学習の基礎的・基本的な内容を学習。また、小・中学校の教育活動の体験や実習、教員との交流によって教職理解を促進する。
協議会は、同プログラム実施に関わって、プログラムの目標や内容、運営方法、実施体制について協議し、その改善・充実に資することがねらい。道北圏域の協議会は5月24日、道東圏域は5月27日に開催した。
道教育大札幌校で開かれた道央圏域では、オンライン参加を含め、道教育大やプログラム参加校の教職員ら構成員27人が出席した。
開会に当たり、道教委高校教育課の髙田安利課長があいさつ。本年度、道内の教員欠員数が全校種合計で80・5人であることに触れ「現在の学校現場が抱える教育課題の状況を踏まえれば、質の高い教員の人数を十分に確保することが必要」と指摘。「教職の魅力を伝えるため、小・中学校等の児童生徒と高校生が接する機会を設け、実践と理論を往還する学びが大切」と強調した。
また、前年度のプログラムに参加した生徒の約8割が「プログラムを受講して教職に就きたい気持ちが高まった」と回答したことを振り返り、プログラムを計画・実施した道教育大と拠点校・参加校の尽力に謝意を示した。
議事では、本年度「教員基礎探究」「教員基礎」における日程や各回の内容を確認した。
教員基礎探究は、6月16日に開始。6月下旬に学校実習事前指導を行い、7月中旬に事後指導、7月下旬の2日間日程で教員インタビューの準備を進める。
8月には「いじめ・不登校の問題」「特別支援教育」の二つの講義を実施し、下旬に教員インタビューのディスカッション、9月にプレゼンテーションを通した学びの発表を行う予定だ。
教員基礎は、10月26日にスタート。10月末に学校実習の事前指導を行い、11月上旬に道教育大附属札幌小学校と当別町立とうべつ学園でそれぞれ2回ずつ学校実習を実施する。
事後指導のあと、11月下旬~12月中旬にかけて「教科教育学」「教育心理学」「教育学」を学ぶ講義を展開。来年1月上旬に大学のゼミに参加する実習を行い、2月下旬に講義のまとめを行う予定。
また、前年度と比べ、両プログラムへの参加生徒が減っている現状から多くの生徒に参加してもらうための方策や、プログラムの運営方法の改善点などを協議。
参加数が減っている理由として「部活動や大学入試の準備などで時間を割けないこと」などが挙がり、生徒のプログラム参加への負担軽減に向けて、半日日程を午前と午後の1日日程とし、開催日数を減らす案が挙がった。
このほか「主催者の道教委や道教育大の職員だけではなく、参加校の引率教員にもプログラムの趣旨・内容を共有していただき、教員を志す生徒を一緒に育てているという意識を持ってプログラムに取り組んでほしい」などの声があった。
(道・道教委 2024-06-03付)
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