特別支援コーディネーター研修初開催 まず“違い”に気付いて 道教委 道教大・田中氏招き(道・道教委 2024-06-10付)
道教委は5月31日、オンラインで特別支援教育コーディネーター研修を初開催した。道教育大学釧路校の田中雅子准教授が「校内支援体制の整備、充実に向けた特別支援教育コーディネーターの役割」と題して講演。様々な演習から、学び方など子どもたちにはそれぞれ違いがあることを示し「まずその“違い”に気付くことがコーディネータとして大切」と説いた。
特別支援教育の対象となる児童生徒が増加する中、4年12月に文部科学省が公表した調査結果において、通常の学級に在籍し、学習面または行動面で著しい困難を示す児童生徒は小・中学校に8・8%、高校に2・2%在籍していることが示された。
こうしたことから「どの学校・学級にも障がいを含め特別な教育的支援を必要とする児童生徒が在籍している」との認識のもと、全ての教員の特別支援教育に関する専門性の向上、各学校におけるコーディネーター等を中心に通常の学級担任等を支えることができる校内支援体制の整備、充実を図ることが求められている。
これを受け、道教委では、コーディネーターが学校内の特別支援教育の推進役として求められる高い専門性を身に付け、各学校の校内支援体制の充実を図ることができるよう本年度から新たに同研修会を実施することとした。
開会に当たり、特別支援教育課の髙橋顕二課長補佐があいさつ。特別支援教育における国の動向等に触れ、研修会を通して、各学校における校内支援体制の一層の充実、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援の充実が図られることに期待を寄せた。
引き続き、坂内仁主査が本道の特別支援教育の現状と課題について説明。各学校において、児童生徒一人ひとりのニーズを図っていくため、支援を必要とする児童生徒を漏れなく確実に認知していく重要性を示したほか、支援を必要とする子に対して一貫した指導や支援の充実を図っていくために個別の指導計画、支援計画の作成・活用を進めていく必要性などを示した。
続いて、田中准教授が「校内支援体制の整備、充実に向けた特別支援教育コーディネーターの役割」と題して講演。田中准教授と当別町立とうべつ学園の永間尊史教諭、北見市立高栄中学校の山下孔基教諭、札幌西高校定時制の平口莉菜教諭のやりとりを参加者が外側から眺める「フィッシュボール(金魚鉢)形式」で研修を展開した。
3人の教諭は、自己紹介として①コーディネーターとして困っていること②毎日の仕事の充実度③仕事をする上での強み・課題―を共有した。
また、複数人の先生が並ぶ絵から、3人の教諭が「宿題をたくさん出す先生はどの人か」を選択する演習を実施。
田中准教授は、3人とも違う意見だったことを受け「特別支援教育は、全部一緒にしなくてはいけないと思いがちだが、それぞれ考えていることや学び方などに違いはある。違っても面白い、違う方が楽しい時もある。逆に同じような条件で見ていても人は違うんだと気付くことがコーディネーターとして大切」と説いた。
このあと「校内支援体制の整備、充実に向けた特別支援教育コーディネーターの役割」をテーマに協議した。
(道・道教委 2024-06-10付)
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